サッカーは、ドイツで最も人気があるスポーツです。子供からお年寄りまで、約690万人が、
サッカー協会のメンバーです。メンバーは、自分でサッカーをする人、サッカークラブのサポーター、もしくはその両方の人々です。2015/2016年のシーズンには、その上に 難民として来た人々もたくさん加わり、4万2000人の外国国籍保持者がサッカー協会のメンバーになりました。この事はサッカーの持つ結束力を端的に示しています 。先週の土曜日、私は初めてベルリン・オリンピアシュタディオンというスタジアムに行き、一次リーグのサッカー・チーム、ヘルタ・ベルリン対1.FCケルンの試合を観戦してきました。ブンデスリーガのプレミア・リーグには、18のクラブがあります。そして、シーズンの成績が悪ければ、2部リーグに落ちます。ヘルタも 2部リーグに落ちたり、また1部に戻って来たりして来ました 。多くのクラブと同じく、 ヘルタも 1892年に創設された、歴史ある クラブです。ユースチームから将来の選手を育成することはブンデスリーガでも普通のことですが、海外から獲得した選手も多くいます。例えば、2014/2015年のシーズンからは日本人の原口元気選手がヘルタでプレーしています。有名なオリンピアシュタディオンはヘルタのホームグラウンドです。このスタジアムは1936年のベルリン・オリンピックのために、ナチ時代に建設されました。ですから、その建築様式は、この時代に独特の荘厳なものです。試合はスタジアムに着いてからでなくて、そこへ向かう道で、もう始まっています。電車で行く道中、白とブルーのチーム・カラーを身につけている人々が次々に乗車してきます。乗り合わせたケルンのファンたちも電車の中で応援歌を歌ったりして、皆はサッカーの話をしています。到着すると、人々は 押し合いながら一省にスタジアム へなだれ込みました。
オリンピアスタジアムが一箇所開いている場所より、試合開始前の写真。
現在のリーグ順位表では、ヘルタが2番目で、ケルンは4番目です。強豪チーム同士の試合でした。ヘルタは普段はそれ程強いチームではありませんが、そんな浮き沈みを含めて、何年間もチームを応援してきたサポーターがたくさんいます。私の知り合いに、シーズン・パスポートを持っている人が居り、一緒に行くはずだったこの人の友人の都合が悪くなったため、代わりに私が同行することになりました。このパスポートは、シーズンを通じて観戦できるもので、多くの人は毎年このパスポートを延長しているようです。ですから、ファンたちは皆、毎週末同じ席に陣取り、 隣にはやはり毎週同じ人が座っていることになります。私たちの前の席は 、ハーフ・タイムの休憩で持ってきた手作り弁当を食べる二人のおじさんたちです。後ろの席には二人の 自称サッカー専門家がいて、試合開始から終わりまで解説が途絶えることはありませんでした。お弁当のおじさんたちの隣には、いつもOstkurveの観客席を羨ましそうに眺め、本当はそちらの席に座りたそうな15歳の少年と、その父親がいます。Ostkurve(東カーブ)というのは、ホームのサポーターが集まる席で、最も大きな声援で熱狂し、多くの旗が振られています。スタジアム席には他にも家族のためのブロックもあります。東カーブが最も賑やかではありますが、もちろんその他の席も、スタジアム中が熱狂し、それぞれに応援をします。
私たちの席から右方向にOstkurveが見える。
家やパブで友達と一緒にサッカーを観ることも悪くありませんが、スタジアムでの観戦はやはり全く別物です。テレビであれば、より近い位置からの映像が観れますので、例えば、ファウルが本当にファウルだったかなどは良く分かりますが、リピート映像が多く、ゲームそのものの流れが途切れてしまいます。というわけで、もうお気づきかもしれませんが、私は今回、スタジアムの、雰囲気に飲み込まれる感じに圧倒されましたので、これが最後のサッカー観戦になることはなさそうです。