ピザは、19世紀の終わりにブラジルに渡ったイタリア移民者がもたらした料理で、今ではすっかりブラジルの文化に溶け込んでます。世界で最もピザを消費する街がニューヨークで、サンパウロ市はなんと第2位。また、あるテレビ局のアンケートで、「サンパウロの顔を持つ料理」として選べばれたのがピザでした。サンパウロ市内だけで、6千店舗ものピザ屋があり、一日で約30万枚ものピザが消費されるとのこと。
ニューヨークではファーストフード的に消費されているピザですが、こちらでは、ピザ屋は殆ど夜にオープンします。ブラジル人は昼食時に、白米、肉とサラダをしっかり食べる習慣があり、一切れピザを食べても、ピザ屋で友達と昼食にピザだけを食べるのは習慣ではありません。「ピザは夜食べる」のが普通なのです。
ピザ屋のメニューを見たらびっくりするほどのバラエティー。その中でもサンパウロ市で人気なのが、モッツァレラチーズのと、カラブレーザ(Calabresa=ペペローニに似たもの)のピザです。ピザの生地は薄く、具がたくさんのってくるのが普通です。8切れの大きいサイズのピザは2種類の味が選べるのでとても好評。
また、ライトなピザを好む人にはズッキーニ、ブロッコリー、スカローラ、ルッコラなどの具も楽しめます。
サンパウロではオリーブオイルを具の上にたくさんかけて食べる人が多いようです。リオ・デ・ジャネイロではケチャップをかけて食べる人が多いとか。街によって食べ方もちょっと違うようです。
先日第8回Expo Pizzaria が開催されました。毎回新しいピザ用の機械や器具、良質な粉をはじめ、色んな具などの紹介がされるようです。
最近は具として、チーズバーガー、ストロガノフ、サーモンなどがあるようですが、あまり人気がないのかコメントがありません。ちょっと和風的なしめじとシイタケとモッツァレラバッファローの組み合わせはおいしいです。
ピザのデザートに甘いピザはいかがでしょうか?チョコレートとイチゴの具のピザは大人気です。チョコレートとバナナ、チーズとグアバのジャムもなかなかおいしいです。一度試してください。
1924年にサンパウロ市で初めてオープンしたピザ屋がCastelõesです。今でも繁盛していて、パリッとした薄い生地が有名です。
こちらでは、1985年より、7月10日はピザの日です。その日はいつもより割安でピザが食べられます。どこも満席になるようです。
ブラジルでは、”Acabou em pizza” (訳:ピザで終わった)という表現があります。1960年代にサンパウロ市のパルメイラスというサッカーチームの内部で口論があり、10時間以上もの会議をした挙句、皆空腹に耐えきれず、大きなピザをたくさんオーダーし、事があいまいに終わりました。当時のスポーツ記者Milton Peruzzi 氏が翌日の記事に、その会議について、「全てがピザに終わった」と載せたの事から、この表現が生まれました。何事もきちんと解決しないで終わる時に使うフレーズです。