フェジョアーダにはフェジョン・プレットと言って、黒インゲン豆を使います。その豆と豚の干し肉を一緒に煮込んだ料理です。塩コショウを入れ、玉ねぎのみじん切り、ガーリックとローリエも入れます。圧力鍋で煮込んだら肉が柔らかくなり、とてもいい味が出ます。サイドディッシュとして、白米、ケールのせん切りをガーリックで炒めたもの。Farofa(ファロファ)と言う、キャッサバ粉とベーコン、オリーブ、玉ねぎ、ガーリックなどを細かく切って一緒に炒めたもの。そして、オレンジの輪切り切ったものが定番です。ショットグラスにブラジルの酒、Caipirinha(カイピリーニャ)が付いてくることもあります。カイピリーニャとは、カシャーサと言ってサトウキビの蒸留酒と細切れレモン、砂糖、クラッシュドアイスを合わせたカクテルです。
これがフェジョアーダのセットメニュ―です。写真のセットで大人1人分です。女性2人でも食べきれない量です。ボリュームたっぷり!
フェジョアーダ専門店もありますが、一般のレストランでは水曜日と土曜日の昼食メニューと決められてます。
手がかかる料理のため、また大量に作った方がおいしいため、家庭では、週末や休日の時など、家族が揃う時に作ります。
フェジョアーダに入っている豚肉ですが、ヒレ肉や、あばらの部分だけではなく、耳、足、しっぽなども入ってます。この料理は奴隷たちが、家畜の肥料にしていた黒インゲン豆と、農園主(ポルトガル人)が食べなかった豚肉の耳やしっぽを一緒に煮込んでできた料理と言い伝えられてますが、調べたところ、そうではないのです。ポルトガル人がブラジルに来る以前にヨーロッパでは、肉、豆、野菜を煮込む料理があったそうです。フランスでは、Cassoulet(カスレ)といいます。ポルトガル人は、その料理と、南米産の黒インゲン豆を合わせて煮込むようになり、フェジョアーダが生まれたとのことです。
フェジョアーダは手が込んだ料理ですので、毎日作るわけにはいきませんが、ブラジルの家庭料理で他の豆料理があります。Feijão carioca (カリオカ豆)をガーリック、玉ねぎ、ベーコンとリングイッサ(linguiça=ポーチュギース・ソーセージ)と一緒に炊き込む料理です。カレーやストロガノフのように、ごはんの上にかけて食べます。Arroz com feijão (ごはんと豆)だけでもミネラル、鉄分、ビタミンB、たんぱく質など栄養がいっぱい。一般家庭の食卓には欠かせない料理です。冷凍することもできますが、味にこだわる人は毎日作っているようです。
材料はスーパーマーケットで簡単に手に入ります。豚肉は干し肉なので、塩抜きをする必要があります。写真のように豚の好きな部分だけを買うこともできます。フェジョアーダが缶詰になっているのも販売されてます。旅行時や、お土産にも良いでしょう。