ガソリンに代わるエネルギーとして、サトウキビを発酵させて作るバイオエタノールをブラジルは70年後半から拡大してきました。
ブラジルで初めてバイオエタノール車が生産されたのは1978年です。Ford 社の車と聞いてます。バイオエタノール燃料はCO2の排出がゼロになるということなので、地球温暖化対策としても評価されています。しかし、1980年代後半には原油価格の下落や砂糖価格が上昇し、燃料用アルコールの供給不足が発生してバイオエタノール車が一時減りました。ガソリン価格の値上げや値下がり、エタノールが減ったりなどと言うトラブルを解決するかのように、2003年からはFlex (フレックス)燃料車と言って、ガソリンでもエタノールでも走れる車を生産しました。一つのタンクにどちらを入れても良いのです。第一号車はVolkswagenのGol でした。2018年ではブラジルで走る自動車全体の67,1%がフレックス車、22,2%がガソリン車で、 10%がディーゼル車になりました。フレックス燃料車の利点は、消費者がガソリンとエタノールの値段を比べ、給油する度にどちらかを選べることです。値段を比べる時に使う簡単な計算があります。エタノールを選ぶにあたって、その価格がガソリンの価格の70%以下であることだそうです。
(6月1日 US 1ドル=R$5,15)
実はブラジルのガソリンスタンドで売られているガソリンには政府の定めで無水エタノールが20~24%混合されてます。100%ガソリンは販売されていません。ガソリンも3種類あり、レギュラーガソリ(オクタン価87)、添加剤入りガソリン、ガソリンPodium (オクタン価97)があります。
先日ガソリンスタンドの前を通ったら、「医療専門家にはエタノール以外は給油10%割引。あなたたちに感謝します。」と書いてある看板が置いてありました。コロナ最前線に立つ医療専門家への感謝の気持ちですね。ブラジル人らしいと思いますが、きっと他の国でも色んな形で感謝を示している事でしょう。