この内容を読んで、「法律」にしなければ周りの人は報告しないのかな。と、ふと思ったと同時に、やはり被害者は自分から警察に行くのは難しいのかな。とも思い、でも被害者は悪くはない。などとエレベーター内で思ってました。
家庭内での暴力の事をドメスティックバイオレンスと言います。
Instituto de Datafolha (ダタフォリャ調査所)がブラジルの公安フォラムに依頼されて調査した結果、2021年6月7日に発表されたデータでは、16歳以上のブラジル人女性で、4人に1人は身体的、精神的、または性的な暴力を受けてたとのことです。それは1,700万人(24,4%)の女性に相当します。一年前の調査では加害者のほとんどは配偶者や恋人で、第2位に隣人でしたが、今回の新たな調査では第2位に隣人ではなく、元配偶者、元恋人であり、次に父親、母親、兄弟、継父、継母の順でした。ドメスティックバイオレンスとは配偶者や恋人の暴力というイメージですが、家族内での暴力とは心配が増すばかりです。調査の結果、被害者の35%は別れたまたは離婚した人であり、28%は黒人で16歳から24歳の年齢層が多いとのことです。
パンデミックで家族内で家にこもっている為、このような結果が出たと思われてます。また、この調査結果の割には被害届が減っていて、加害者と被害者が共に過ごす時間が多くなったことで、被害者が警察に報告するのが困難であると考えられてます。
実は既に2020年の6月には国家司法審議会(CNJ)とブラジル判事治安協会(AMB)が、ドメスティックバイオレンスに対する「赤色のサイン」のキャンペーンを開始してます。被害者である女性が口紅や赤ペンでバツマークを手のひらまたは紙に書いて、銀行、薬局、市役所などの従業員に見せるだけで良いのです。そのマークを見せられた者は直ちに警察を呼び、被害者を守る手段をとるのです。このキャンペーンには化粧品会社や美容院なども参加してます。チラシやポスタ―には手のひらに書かれた赤色のバツマークを見せる女性の写真に、「あなたは一人ではない」とメッセージが書かれてます。
女性が何らかの暴力を受けても直ぐに逃げたり、警察に助けを求めることができない理由として、逃げたらもっと怖い目にあうかもしれない、経済的に自立できない、まだ愛情が残っている、自分の権利がわからない、どこへ助けを求めたら良いのかわからない。などがあげられてます。ポスターに書かれている、「あなたは一人ではない」というメッセージが一人でも多くの被害者に届く事を祈ります。 そして、警察に被害者を守って欲しいと願います。