そして、2020年11月16日に中央銀行が開発したPIXが登場しました。PIXのシステムはスマートフォンなどによる、振り込みや支払いを即時に行われ、24時間365日できるのです。その上、個人利用だと手数料がとられなく、企業の場合は手数料はかかるが低いようです。銀行などのアプリに登録し、Chave PIX (ピックス・キー)をID番号、携帯番号、またはメールアドレスの中から選びます。ピックス・キーを相手に伝えるだけで、振り込んでもらえます。銀行名、支店番号、口座番号などの情報を伝える必要がないので安全であり、早いです。現金をATM だけではなくより多くの小売店などでも引き出せるよう、PIX にも現金引き出しサービスがあります。
私の周りでも、ガレージセールの代金、サービス業への支払い、お友達に買い物の頼みをした時の支払いなど、PIX を利用する人が多くなりました。数秒で取引が成立するので、びっくりです。
しかし新しい物には悪知恵を働く者が必ずいるのが残念です。
ブラジルでは昔からすり、盗難事件、人質事件など、恐ろしい事件が起こってます。銀行で現金を引き出すのは要注意。狙われて盗まれることもあります。偽札もあります。小切手は安全だと思って使っていると、偽造される。クレジットカードも安心して使っていたら、偽造されたり、インターネットでの買い物で番号がわかり不正使用されたりのトラブルが発生します。今回のPIXは安心かと思えば、携帯の盗難事件が増え、その理由はアプリのPIX を使用して振り込みをするためだとか。一時はほぼ聞かなかった人質事件も最近は増え、PIXでの振り込みを要求するためらしい。
中央銀行はPIX が原因で発生した多くの事件の防犯対策として、2021年10月より、午後8時から翌日の午前6時まではR$1,000(約US$215)までしか振り込みができないことに決定しました。
随分と便利になったものの、これからも更に安全でスピーディーなシステムが出てくるのでしょうね。楽しみのような、自分がついていけるか不安のような。