• 2023.05.12
  • 憧れのクリチバ市
サンパウロ市から南西に約400kmいったところに、パラナ州の州都クリチバがあります。クリチバ市へ旅行に行くと言うと気持ちが高まります。それは整頓されたきれいな街であり、観光スポットが多いからです。今回はそんな素敵な街をご紹介します。


サンパウロ市から1時間くらいのフライトで着くクリチバ市ですが、車で行くのも楽しいです。クリチバ市へ行くのに国道116号(BR-116)を利用します。この国道はブラジルの東北のセアラ州と南端のリオ・グランデ・ド・スール州を結ぶ最も長い国道で、全長4,542kmあります。利用車の60%はトラックで、最も事故が多い国道とされてます。サンパウロ市とクリチバ市の間の道中はカーブも多いですが、2017年12月以来全線4車線になり、より安全にまた、より早く行き来できるようになりました。カーナビでは5時間半と示しますが、道中で休憩することを考えて6時間ほどでクリチバ市に着きます。


サンパウロ市を出発し、南西に向かうとその地域、Vale do Ribeira は、ブラジルでバナナの生産量が一番である地域です。国道のわきにもバナナの木が育ってます。遠くに見える丘もバナナ畑です。
クリチバ市の標高は935メートルで、国内で最も標高が高い市です。6月から8月の冬の間はサンパウロ市よりも気温が平均で4度程低いです。
クリチバ都市の人口は約187万人です。2010年から2022年の12年間で人口が7%も増加しました。
19世紀の後半にはヨーロッパからの移民を多く受け入れました。
そのため、中心街を歩いていると、ここはブラジル?それともヨーロッパ?と疑う程の建物があります。


中心街の建物も道路や歩道もきれいに維持されています。それもそのはず、クリチバ市では1980年代のごみの問題を解決するために1990年に「緑との交換プロジェクト」を始めました。それはペットボトルなどリサイクルできるごみ4kgを回収場に持っていくと1㎏の野菜と交換してもらえるのです。その後、ごみも減り、住民が自ら街をきれいにしていくようになったそうです。このプロジェクトでクリチバ市は1990年に国連環境計画賞を受賞しました。

クリチバ市には地下鉄はありません。しかし公共交通機関であるバスをより安全に、早く運行するように計画を立てたそうです。クリチバは1974年にBRT(Bus Rapid Transit)のシステムを実装した街であり、1990年以来、一枚のチケットで多数のラインのバスに乗り換えができるシステムを実施しています。現在ではハイブリッドバスや、電気バスも走ってます。市内と郊外を結ぶ、3両連結で全長28メートルのバスもあります。



市内にはチューブ型のバス停があります。片側の入口内部にはスタッフがいます。バスに乗ってから運賃を支払うのではなく、チューブ内で運賃を支払います。よりスムーズにバスに乗客が乗ることができ、時間のロスにならないためです。チューブのもう片側が出口となっています。また、乗り降りをスムーズにするために、バスの出入口と同じ高さのプラットフォームを設計しています。


中心街の広場では、チューブ型のお花屋を見つけました。クリチバ市が誇るシンボルなのでしょう。

色んな問題に対して知恵を絞って解決していってるクリチバ市は素晴らしいと思います。次回は観光スポットを紹介したいと思います。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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