ブラジルに属するパンタナールの面積は15万平方キロで、35%がマット・グロッソ州、65%がマット・グロッソ・ド・スル州に属します。(マット・グロッソ側を北パンタナールと呼び、マット・グロッソ・ド・スル州側を南パンタナールと呼んでいます。)隣国のボリビア国の東部とパラグアイ国の北部にも4万5千平方キロ属しています。
パンタナールの平地70~80%は雨季(10月頃から4月まで)に、パラグアイ川が氾濫して平地が水没します。5月から9月までの乾季には水量も2~5m程下がり、大草原に変わります。パンタナールには多種多様な野生動物がいます。特にジャガーの生息地として知られています。水量が2m程下がった6月末から川岸にジャガーが姿を見せます。その姿を見るために世界各国から多くの人が集まります。
6月末に私は初めてパンタナールへ旅行してきました。サンパウロ市からブラジルの西部にあるマット・グロッソ州都のクイアバ市まで、車で1500kmで3日目に到着しました。クイアバ市からポコネと言う町まで、さらに100km走ります。ポコネは北パンタナールの入口の町と言われています。パンタナールの縦断道路(トランスパンタネイラ)が始まる場所です。そこには誰もが写真に収める木材でできたゲートがあります。「ここからパンタナールが始まる。」と書いてあるのでテンションが上がり始めます。
このパンタネイラは土道145kmあり、道中には120もの橋があります。南に向かっていくので終点はマット・グロッソ・ド・スルとの境のPorto Jofre (ジョフレ港)です。初めの50kmは道も良く、橋もコンクリートで造られていますが、その後は木材で造られた橋の状態が危ういのもあり、雨が降った後はひどいのだろうと思いました。
道中には聞いたこともない鳥のさえずりが聞こえ、橋の下にはワニがいて、道を渡る蛇もいます。高い木の上にある大きな巣は、パンタナールのシンボルであるtuiuiú(ズグロハゲコウ)の巣です。コウノトリの仲間です。全長160cmで、黒い頭に真っ白な翼が印象的です。スピードを上げて走れない土道ですが、ワニや、鳥たちの写真を撮りながらゆっくり進んでいきましたら、終点に到着したのが5時間後でした。145kmしっかりいろんな生き物を見て満足間にあふれてました。
終点のジョフレ港では、1984年にオープンしたHotel Pantanal Norteに滞在しました。ホテルの入り口ではオーナーたちが出迎えてくれました。すると、挨拶をしに来たかのように、tuiuiíがゆっくり歩いてくるのです。自分程の背丈の鳥を見たことがないうえに、その美しさに感激しました。
夕方に到着したこともあって、ホテルの庭にはいろんな木があり、鳥のさえずりが増すばかりです。贅沢を言えば、うるさいくらいです。見上げてみれば、オレンジ色のくちばしのツカーノや、身体全体が青色のアララもいました。多種類の鳥が木から木へと飛び回ってました。パンタナールへやって来たんだと、心が高まりました。
ホテルにはアメリカとヨーロッパからの観光客多く滞在していました。その日は主人と私だけがブラジル人の客であることを知りました。とても親切でフレンドリーなオーナーが夕食時に私たちのテーブルまで来てくれてパンタナールの話を色々語ってくれました。
いよいよ翌日はメインの目的、自然の中にいるジャガーを見ることです。
続きは次回です。宜しくお願い致します。