日中家の周りを歩いていると大型作業機が停車されています。アスファルト切削機というのでしょうか、見るからにパワフルで大きな音を立てそうな大型機です。
通常アスファルトの道路はダメージを受けた場所や穴の部分だけを埋めていくので、道がパッチワークのような状態になります。今回の工事は、アスファルトを削って、新しいのに変えるのです。
その上、歩道とアスファルトの間に、40㎝程のコンクリートの部分があるのですが、その古いコンクリートを壊して、新しいのに変えるのです。石破壊機、ローラー重機、コンクリートミキサー車など、大型トラックが並びます。
サンパウロ市のように、自動車数が多い都市では、このような大型機が日中に作業すると、たちまちとんでもない渋滞になってしまうため、夜中の作業となるのです。しかしながら、その作業は音が大きくて寝られません。
アスファルトを削ったところを見ると、下側には敷石があり、そういえば、私が幼い頃に住んでいた家の前は敷石道路だった事を思い出しました。調べたところ、1909年にサンパウロ市で初めてアスファルトされた道路は現在のパウリスタ大通りであり、それはブラジル内でもラテンアメリカでも初めてアスファルトされた公道だそうです。
今回のアスファルト舗装改修工事が始まる前の段階はいろんな技術が加わっていることがわかりました。サンパウロ市が市民に提供するデータに基づいてお伝えしていきます。
まず初めに街中を走る108台のタクシーとUBER にデバイスを設置し、アスファルト舗装されている全ての道路の状態をGaiaシステムでチェックしたとの事です。このシステムは2019年に出来て、道路の状態をデジタル化したものだそうです。サンパウロ市は1万7千キロメートルもの道路があり、現在ではアスファルトの状態がそれぞれ確認できるようになったそうです。
PavScan というモダンなスキャナーがアスファルトの状態をより明細に把握し、どれだけのダメ―ジを受けているなど、また古いアスファルトをどれだけ削らなければならないのかなどをチェックすることができるそうです。その結果無駄な作業やコストダウンにもつながるそうです。
この工事には新たに3000人が雇われました。アスファルトもSMA(Stone Matrix Asphalt)とポリマーそしてファイバーが混合されたものなので、長寿命が期待されます。
夜中の工事はとてもうるさくて寝られないのですが、街中のアスファルト舗装道路がスムーズになると思うと、我慢しなければいけませんし、そんなきれいな道路を快適に車で移動できるのが楽しみでもあります。