皆さん、「EOFY」という言葉を聞いたことありますか?これは英語の略語で「End of Financial Year」のこと。日本で言うところの会計年度末にあたります。日本では4月1日から始まり3月31日が年度末となっていますが、オーストラリアでは7月1日から翌年の6月30日という括りになっています。
タックスリターン(日本の確定申告のようなもの)もこの期間の収入と所得税等の申告を行いますし、政府が税率や最低賃金、年金率などを変更する場合も、適用開始日が7月1日からと、オーストラリアではこの区切りが一つの大きな節目となっています。
そして企業や販売業者は6月30日までにできるだけ売り上げを上げ、できるだけ在庫を処分したいので「EOFYセール」を行うことがあります。この時期に少しでも安くして販売促進していくということです。家電、パソコン、衣類と色々な物が安くなる時期なので、もし4月後半、5月初旬に欲しいものがあっても、「EOFYセールをやるかもしれないからもうちょっと待とう」と待つ人も多いのではないでしょうか。
5月下旬くらいから街のあちこちで「EOFY SALE」の広告を見かけるようになり、デパートでも大きなセールを行い、EメールでウェブショップのEOFYセールのお知らせメールがたくさん届くようになります。
また、販売する側だけでなく、6月30日までに経費として計上できる物を購入し、減税対策をする人も増えるため、この時期はパソコンや事務機器、車などビジネスの経費として落とせるような物が普段よりも売れることになります。
私はEOFYセールにはあまり乗らないほうなので割引率など詳しくはわかりませんが、車や家具、家電など大きなものを購入する際は、ネットで購入するよりも店頭へ行き、値引き交渉するほうがいい値引き率で購入できたりするのでは、と思います。
特に車なんかはこの時期が特にお買い得になるのではないでしょうか。
そしてEOFYの6月30日が過ぎ、新しい会計年度7月1日を迎えると、昨年度の収入に対してのタックスリターン(確定申告)をすることができます。オーストラリアでは、収入が発生したすべての人はこの確定申告をすることが義務付られています。期限内に申請していなかったり申請漏れなどがあった場合は罰金を科せられることもあります。
会社に勤務している人はあらかじめ計算された税率で毎月(もしくは毎週、隔週など)所得税を給料から天引きされてはいるのですが、タックスリターンではこの金額の過不足を計算し、多く支払っていた場合は、払い戻され、足りなかった人は支払うという仕組みになっています。ですので、毎年のタックスリターンの払い戻しがちょっとした臨時収入になり申告を待ち遠しく思っている人もいれば、毎年支払うことになり、申告を憂鬱に思っている人もいたりと様々です。
私はブックキーパー(日本でいう簿記のような事務職)をしていることもあり、EOFY前後は会計上でも色々と注意をしなければならないことが増え、この時期は特に気が引き締まります。6月30日を終え、7月1日の新しい期を迎えると、今年も節目を終え新たなスタートが始まったというちょっとしたリフレッシュした気分を味わいます。
今年度もオーストラリアでは最低年金率が引き上げられたり、物価高と比例してなのか最低賃金も上がりました。今年はオーストラリアにとってどんな財政の年になるでしょうか。
- 2022.08.17
- オーストラリアの「EOFY」