日本国内のネガティブムードが漂う中、スタートした東京五輪、未だに反対派は多いのでしょうか?
本来なら大盛り上がりでしょうが、後ろめたさが残り、素直に喜べない状況を遠い欧州から想像し、気の毒に感じています。
このオリンピックで、ボランティアスタッフをしている家族、友人がいますが、五輪開始前の予行演習に向かうのに、ユニフォームを着て外を歩くのが恐ろしかったと話していました。特に、電車に乗るのは怖かったようで、車で向かったり、襲撃される不安から、現地で着替える人もいました。こういうところが、今の日本の残念で悲しい現実だと思います。
今の日本は、他人を攻撃しすぎでは? 自分の意見や考えがマスになると、それがあたかも正しい事だと錯覚し、それ以外の思考の人々を敵視さえします。本来なら、異なる意見をも尊重すべきだと思うのですが。
「国民の8割の反対を押し切ってのオリンピック開催。それは大変な事だ。」と欧州スポーツチャンネルのアフロ兄ちゃんがコメントしていた。同チャンネルでは、東京五輪関連の建築物の紹介や街頭インタビューを放映していたのだが、その内容はポジティブなものばかり。インタビューの回答も「オリンピック開催によって、みんなが元気になるといい!」など、応援コメントばかりを流していた。
欧州では、4年に1度の一大イベントである、ユーロカップ(サッカー)が、今年初めて数カ国共同で開催されました。
開催国によって、スタジアム観戦者が制限されていたり、無観客であったり、または驚くほど満員だったりと様々だったのが別の意味で見応えがありました。コロナ禍でモヤモヤしていたヨーロッパ人には良いはけ口となり、今回はいつも以上に大盛況でした。
ユーロカップが当たり前のように実施されたことも関係していますが、私はオリンピック開催は当然の事だと受け止めていました。
また、「オリンピックどうなっているの?!」と外国人に聞かれるたび、「絶対に開催して、日本の感染対策を見せつけてやれ!」と思うように。
仕事の取材で、東京五輪に専念するため職を辞めたアスリートを見てきているので、努力してきたアスリートはもちろん、ずっと準備してきた関係者たちのためにも、オリンピックがスタートしたことは本当によかったと思っています。
ゆえに、今回のオリンピックの開会式は感慨深いものがありました。直前に担当者の交代、反対意見を意識してか全体的に暗いイメージではあったものの、常にグレーであった段階からは抜け出したと言う爽快感を感じた。
国別のパレードでは、行進の様子が興味深い注目ポイントになった。安全対策をバッチリとアピールしたい国は、選手のマスク着用はもちろん、選手同士で一定距離を保って行進。かたやイタリアのように、肩を組んで出てくるような国は、一丸となるスピリッツを自国にアピールしたいのだろう。ブラジルは2名しか行進しておらず、マスクをしていない国すらあった。
さて、ポルトガルはどうだったかというと。地味な国民性とは真逆で、大はしゃぎで現れた。まるで田舎者丸出し! ある記事の見出しに、ポルトガルの旗が一番動いていた・・・的に書かれていたが、「はためいていた」のではなく、「動いていた」と言う記載に注意。
バッハ会長は、日本だからこそ開催できたとコメント。日本から離れた国にいると、この発言の真実味がよく理解できる。日本が清潔できちんとした国というイメージは、世界中の人々にいまだに植えつけられている。
コロナ禍で不安定な状況下でのオリンピックは、リスクが大きく、日本が抱える責任やダメージは計りしれないだろう。でも世界は、日本ならそれも乗り越え、今回のタスクも達成できると信じている。
オリンピック開催国が日本であったからこそ、世界中のアスリートも安心して参加できるのだと思う。
日本では、未だ東京五輪に対する風当たりが強いだろうが、終わる頃には「やって良かった!」という結果が残せると良いと思う。
長引くコロナ禍で、誰もが精神的にも疲れてきているので、この期間だけでも、国民が楽しい気持ちになり、みんなが笑顔になってくれるといいと切に願っている。