• 2022.03.02
  • オミクロン被害 パート2
 さて、実は我々のオミクロン被害は、これだけでは終わらなかったのです。

こんな時でしたが、急遽日本に一時帰国する計画がありました。これはオミクロン株が発表される前の話です。
ただし、私の滞在ビザの有効期限がすでに切れている問題がありました。
今思えば、負の波はこの時から押し寄せていたのだと思います。
緊急事態宣言中に有効期限が切れた身分証明書等に関しては、期限が延長されるという特別制度がありましたが、その延長期限すら私の帰国中と重なります。ポルトガルに戻る頃には、有効な証明書がないのと同等なのでEU入国が危ぶまれることになります。
延長手続きの予約を入れるべく、問い合わせをするのですが、どこもスケジュールがいっぱいで、電話回線はつながらず、様々な方法で緊急手続きを申請しても全て却下され、終いには移民局との連絡も全く取れなくなってしまいました。
周りに聞いても、誰もが苦労しているらしく、全国どこでも予約が取れればラッキー状態でした(申請場所は指定なしなので)。
その理由の一つが、イギリスのEU離脱だったのではと思います。多くのポルトガル在住イギリス人がポルトガル滞在ビザを申請する必要が出てきました。また、別の理由は、移民局職員たちが空港でウクライナ人を死なせてしまった事件があり、移民局が閉鎖することに関係していると思います。このウクライナ人は、空港で入国を拒否され大騒ぎしているところを、移民局職員に裏に呼び出され、リンチを受けました。その後彼は死亡し、この事件が政府の中で大きな問題となっていました。



破れてボロボロになった滞在ビザ・・・紙製でちゃちいく、毎回EUの経由国で怪しまれる代物。


当初、我々の日本行きの計画は、息子と私が一足先に帰国し、その1週間後にモモ(主人)と娘が追ってくる予定でした。

しかし、アフリカの一件で、主人は私と息子の帰国日までに戻ってこられないし、ましてや一週間の隔離生活を強いられるので、娘との日本行きにも間に合いません。

まずは、主人のチケットをオープンチケットに変更し、他3人のチケットの日程変更することにします。だが、日本の政府が国外からの入国規制してしまったため、どの日程のフライトも満席状態になっているのです。
毎日何時間も航空会社や代理店と電話やチャットでやり取りしましたが、ほとんど解決策はなく。
どうにもならず、とうとう私と息子の出発予定日2日前に、子供達のチケットもオープンチケットに変更し、私だけ予定通りのスケジュールで帰国することにしました。ただし、それはモモが戻るまでの約2日間(この時には、モモがポルトガルに戻るチャーター便の日程が確定していた)、子供達だけで留守番させることを意味します。うちの子供達は、小さな頃から留守番に慣れていますが、それでも2人きりで夜を明かしたことはありません。一番心配だったのは、2人が喧嘩をしないか、動物の世話を時間通りにきちんとできるか。この際2人をそれぞれ友達の家にお願いし、動物の世話は隣のおじさんにお願いする手配をしていたら、子供達が2人きりで良いと言ってきます。2人の言葉を信じ、今度は私が大急ぎで荷造り、予約なしでPCR検査を受けられるところを探しました。
そうこうしているうちに、日本政府の入国制限が少し緩和され、どの航空会社も満席となっていたフライトに空きが出るようになりました。もうこうなったら、鬼の血相で、モザンビークにいる主人と日本側の家族に連絡し、親子3人で帰国することを決意します。
私のチケットもオープンチケットに変更してもらい、親子3人分のチケットを新たに購入。当初の予定日からはだいぶ先になってしまったのですが、とりあえず家族4人が一緒に居られる期間を少し確保することができたのでした。

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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