• 2017.12.22
  • 休み
イタリアに旅行された皆さんは、生活リズムの違いに気が付かれた事でしょう。

私がミラノに住み始めた当初閉口したのは、お昼休みです。今でこそミラノ中心地のブティックや食料品店や役所の窓口は昼休み無しで朝から夕方まで営業しているのが普通になって、仕事の合間の息抜きや必需品を素早く調達したりして時間を有効に使って用事を済ませることが出来るようになりました。のんびりしたイメージのあるイタリアからは考えもつかなかった実生活の実態をあの当初、痛感しました。

用事を済ませるには午前中に気負って出かける必要があるのです。そうでないと、あっという間に昼休みの時間に突入して扉を閉められてしまい、「午後は15時から営業」とか「15時半から」という札を見て、腕時計に目を落とすと現在時刻は12時半だったりして、あと約2時間半も時間つぶしかぁ、仕方がないから帰宅しよう、となる訳です。午後は午後で午前中の用事を遂行し損ねたせいで気分が害されたのかグズグズしがちで、家を出るのが遅れます。そして渋滞や長蛇の列に遭遇したりで、やっと自分の順番が回ってきても待ちくたびれた不満気な表情を見せると、窓口の従業員や売り子さんが「朝一番に来れば空いてるわよ」と親切心で言ってくれているのか、釘を刺すような忠告で言っているのかなんとも言えないニュアンスを含ませて対応してくれたものでした。



他にも私を閉口させる休業日の習慣がイタリアにあるのです。月曜日は要注意。お菓子屋 さんや食料専門店などは、月曜日の特に午前中に休業する所が多くて、その習慣を受け入れられないでいる私は何軒ものケーキ屋さん探しをすることになります。

ノルウェー在住の姉を訪ねた時にノルウェーの習慣にビックリした内の一つは、午後のティータイムにカフェテリアに入ると、空席を見つけるのが難しいのなんのって!観光客ではなくてノルウェー人男女達で溢れているのです。ノルウェーは、お父さんも産休をたっぷりと取得出来るので、週日の午後の心地よい時間に、赤ちゃんを乳母車に乗せてノルウェー人カップルは外に繰り出します。 まるで日曜日かのように寛いでコーヒーを味わっているノルウェー人カップルで湧いているカフェテリアを見ると、ただでさえ人口が少ない国なのにこの国の経済はこれで大丈夫なのだろうか、と心配した覚えがあるのですが、イタリアの休業時間と休業日の多さも働き者日本人の歯車を大いに狂わせるという訳です。



私も仕事先で調子を狂わされます。来た当初、仕事の休憩時間や休憩時間帯がはっきりしてないことに戸惑いました。個人的な不測のトラブル解決のために、休み時間を使い外に走り出て解決してから、汗だくになって息を切らせて休憩時間がもう終わるであろうという時間に仕事場に戻っても、同僚達はいつ終わるともよくわからない休憩時間を謳歌していて、問題を時間内に解決出来た達成感も薄れ、私は一人で空回りしているような、、、。彼らには、休憩時間を楽しんでみせて休憩時間を終わらせさせないようなテクを持っている気がします。そうそう、ボスが文句を言わなければ、いくらでも休憩時間を延ばして、冗談を言い合って、冗談の競い合いを続けて、その気持ちの余裕のあるところが羨ましい限りです、、、

特派員

  • 三上 由里子
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地に、ソロコンサートアンサンブルの編成で演奏活動の傍ら、演劇、画像、舞踊やライブ演奏を組み合わせたマルチスタイルの舞台プロデュース。

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