「同僚と飲みに行く」と答える人が多いのでは無いでしょうか。私もミラネーゼ の習慣を真似して、同時に帰宅を急ぐ人達のラッシュアワーを避けるためにも、アペリティフをしてから帰宅をする事がよくあります。アペリティフの席で同僚たちと盛り上がってしまって、そのまま夕食になだれ込むことも。ただし、同僚と飲みに出かけると概して仕事の愚痴になりがちなので、会話の内容があまり健康的でなくて妙なエスカレートを辿ってしまう事が気にならなくもありませんでした。
イタリアと言えども、ミラノ は北部。南イタリアとは違って、太陽の日差しをいっぱい浴びて「仕事ぉ?まぁ、ちょっとゆっくりして」と外でのんびりしたくなるような気候は無いので、ミラネーゼ達はオフィスにはまりこんでせっせと稼ぐと言うわけでストレスが貯まりがち。
そんなミラネーゼ達にピッタリなアフターファイブのお店を見つけました。
イタリアと言ったら、ピッツァ、パスタは勿論、でも何と言ってもワインは外せません。
ここで余談を一つ。私の知り合いのフランス人、パリジャンのおじさまは仕事上、世界を回っているのですが彼が欠かさずに持ち歩いているものがなんとワイン手帳。フランス料理のレストランでは、ワインをオーダーする際にあたってすかさず彼が内ポケットからこの必殺手帳を出してワインリストをチェック。毎年発行されているこのワイン手帳のワイン評価を元に彼はワインを選びます。格好いいでは無いですか!
さて、アフターファイブの店に戻ります。CIECAと言う名前で目隠しと言う意味のこの飲み屋さんでは、ワインに関して面白い企画をしています。
ワインリストからあなたのお好みのワインをオーダーすることも出来ますが、「CIECAでお願いします」と頼むと真っ黒のグラスに注がれた秘密めいたワインが運ばれてきます。
それを飲みながら、ワイン名や生産年やワイン倉をあてる事になります。見事に当てた人はボトル一本、ちょっとだけ当てられた人はワイングラス一杯がタダ、というご褒美がもらえます。
ワインには詳しくないという人でも遊び心で、この当てっこワインをオーダーすると同僚とかなり盛り上がり楽しめるだけでなく、ワインに関しての興味が強くなります。
赤か白かロゼかを当てるのはいとも簡単そうなのですが、真っ黒のグラスから飲むワインは実にミステリアスで、味覚に自信を失う瞬間でもあります。そんなこんなでテイスティングで盛り上がっているうちに、仕事の疲れは吹っ飛び、ラッシュアワーも過ぎ去り、各自スィートホームに笑顔で帰るというわけです。悪くないでしょう?