月曜日は〇〇通り、金曜日は××通りというように曜日と場所を変えて市場が開かれます。新鮮な野菜や果物は勿論、肉屋さんも魚屋さんもフードトラックで乗り付けてトラックの脇にテントを張って商売をします。市場には食材の他に、日常生活品、洋服、植物など何でも揃っています。売っていないものはペットぐらいでしょうか。
私が市場に行き始めた最初の頃は、足を踏み入れた途端あちこちの屋台から「べっぴんさん!こんにちは」とか「綺麗なお嬢さん、安くするよ」とか呼びかけられて心地よくなって一人ほくそ笑んでいたのです。が、その言葉が万人に向けて使われることがわかった時にガックリと来て、注文した以上の食料品の量を売りつけられる勢いに負けてまたガックリ。おまけだよと言ってタダで袋に入れてくれるならまだしも、注文以上の重さをしっかり計りにかけてニッコリしながら値段を言ってくる凄技の人たちばかりの市場。日持ちするものなら許せるのですが、八百屋さんの方も必死です。ピークを過ぎつつある果物や野菜をその日中に売りさばかなくてはならないので、こちらがそんな沢山は要らないと言っても聞こえないふり、、、?!
これらのMercatoは大きく分けて2種類あって、ガイドブックに載るような観光客も楽しめるような大きな市場は朝から午後まで大々的に行うもの、それ以外にお昼頃には店じまいする朝市は、その地区住人の御用達の比較的小さな規模のものです。どちらの市場も、その日のその時間帯だけが街中の道路または広場を市場専用に模様替えされて行われます。
市場が行われる場所には道路標識があって、その時間帯は市場関係者の屋台以外はパーキングをしないように警告しています。
市場のために早朝から屋台が入ってくるので、その地区の住人は間違ってパーキングをしないように前日から気をつけなくてはなりません。たとえその地区に住んでいなくても、市場が行われる場所と曜日を把握することはかなり大事で、というのは普段通りなれている道がその日は通行止であたふたとさせられるとか、市場付近の二重駐車などの車の混雑に巻き込まれて右往左往し「あ、しまった!あそこでは市場が行われてる!」と後悔することになるからです。加えてミラノは一方通行の道がとても多いので、道を一つ間違えるとそう簡単には修正出来ないのです。
さて市場が終わると今度は清掃車の出番です。
こうしてみると市場が行われる地区に住んでいる住人は、なんと落ち着かない1日を送ることになるのだろうと思います。それにも関わらず小さな町のミラノにも関わらず大小合わせて100件もの青空市場が存在することから伺えるように、市場はイタリア人の生活にはなくてはならないものなのです。
一方、年中無休24時間営業のスーパーが登場して画期的だというのに、利用者が増えなかったため1年が経ったか経たないかの内に深夜営業は中止になっていました。せっかく作った「年中無休24時間」の看板は当分このまま、、、
イタリアには日本のようなコンビニは普及しなさそうです。
ちなみに、今日はあいにくの雨なので青空市場ならぬ雨模様市場です。屋台も買い物客も少なめ。だからと言ってスーパーに行く、というわけでもなさそうです、、、