こんな異常気象の影響なのか、それとも単に配達が滞っているのか、行きつけのスーパーにポルチーニが 出回っていません。
ポルチーニは、とても美味しいキノコの種類の一つ。イタリアの松茸という風に例えると色々な意味で想像と理解がしやすいでしょうか。世界三大キノコと呼ばれているキノコには、ポルチーニと松茸の他にトリュフがありますが、トリュフはかなり癖の強いキノコなので好きでない人もかなりいるようです。
一方、ポルチーニは香りと味と食感が絶妙なバランスを取っていて「ポルチーニはちょっと苦手で、、、」と言う人には今まで会ったことがありません。旬の時期には、レストランではポルチーニ三昧のメニューを披露します。
ポルチーニのスライス入りのサラダ、ポルチーニのリゾット、ポルチーニの天板焼きなどなど、、、
ポルチーニは、イタリア語では「子ブタちゃん」とでも訳したらいいでしょうか、子ブタのように丸味を帯びた肉厚な容姿からこんな名前がついたようです。そしてビックリさせられるのが、この人気者のキノコ、ポルチーニの栽培に成功した人が未だにいないので、市場に出回っているのは全て天然で採集されたものなのです。
消費されなかった新鮮なポルチーニはスライスされて乾燥ポルチーニとなって売られます。乾燥ポルチーニは、生の時と色合いが少々違ってかさの部分が緑がかっていて、柄の部分の白さとコントラストを出して見た目も綺麗なので、厳選された綺麗なスライスドライポルチーニは、円状のパッケージに綺麗に並べられて贈り物としても重宝されています。
一方、愛好家を唸らせる高価で珍味のトリュフは、乾燥させてもあの独特の香りというよりか、あの強烈な匂いといった方が表現が正しいくらい、強い芳香を放つキノコで、イタリアではしばしばシンプルなリゾットやパスタにスライスしてトリュフの風味を楽しむようですが、いやはや何とも見かけの悪い不細工なキノコです。そのせいかポルチーニのように子ブタちゃんとは親しみやすく呼ばれなかったわけですが、ところがトリュフ探しの名人は実は豚なのです。昔はトリュフ採集には豚が使われた時期もあったようです。豚は嗅覚に優れていて、トリュフが大好物なのでトリュフを見つけるのが早いのですが、問題もあって、嗅ぎつけたトリュフをガサガサと無造作に掘り出してガツガツと食べてしまうのも早いと言うわけです。加えて飽きっぽいので、トリュフを幾つかかじって満足した途端にトリュフ探しを辞めてしまいます。なのでトリュフ探しには、豚は遠慮されて犬が使われています。
北イタリアのイタリア人には、キノコ狩りに出かける人が多いようです。私も、キノコ狩りに出かけてキノコをカゴいっぱいに採集してみたいと長年思い続けています。が、私は食用キノコと毒キノコの見分け方も知らないどころか、キノコ狩りの場所でさえよく知らないので、行きたいなと思いつつ毎年キノコ狩りをしそびれて未だに一度も実現したことがありません。
いつぞや山を散策していて、おとぎ話で出てくるようなカラフルな素敵なキノコを見つけて大喜びしたのですが、同伴していたイタリア人に「それ、毒キノコだよ」と言われて、がっかりしながら写真におさめました。来年こそは、食べられるキノコのキノコ狩りするぞ!