Villa Simonettaは、 中心地からは明らかに離れた場所にあり、今でこそミラノ郊外に建っているとは決して言えないけれど、一昔前まではミラノから隔離された場所の屋敷だったことが伺えます。今でも中心地から行くのには、ちょっぴりだけ交通手段が不便なのですが、音楽院のお手伝いで出入りしていたあの頃、昔ながらの良さを外観、内装共に残していたので私にとって行くのが楽しみな場所の一つでもありました。
Villa Simonettaの歴史を知らずにいたのが良いのか悪いのかわかりません。というのは、最近になって屋敷に関する記事を読んだ際に自分の目を疑いました。長閑な場所柄からは想像つかない話を知ったからです。
幽霊が出るって??
そう言えば、あの頃も同僚の誰かが「幽霊」について言っていたような、、、
その後、Villa Simonettaについて別の記事を読む機会があり、「幽霊」の謂れが見当つくような歴史を知ることになりました。数人の貴族の手に渡った後、Simonetta家がこの屋敷を購入したのですが、それはSimonetta家の未亡人になったクレーリアちゃんのためでした。未亡人になったとは言え、きっとかなり若かったのだろうと思います。それで、Simonetta家の社会的評判が落ちるようなクレーリアちゃんの行いに家族は困り果てていて、彼女への罰として、それプラス、人里離れた地理性を利用してこれ以上巷の噂話に登らないようにと苦心して、この屋敷に彼女を閉じ込めたに違いないのです。
送り込まれたクレーリアちゃんは改心するどころか、家族の思惑とは全く違う方向に進んでしまったそうです。 家族に見捨てられたも同然だったので、彼女は寂しかったのか腹いせなのか華々しいパーティーを開くようになり、それがどんどんエスカレートして行ったに違いありません。屋敷に到着した招待客はまずはバスルームで体を清め、その後は何でもしたい放題だったとか。
で、「幽霊」はクレーリアちゃんかと思いきや、そうではありません。どうやらクレーリアちゃんは11人の美しい若者達の失踪事件に関わっていたとか。11人が行方不明ってかなりの人数ではありませんか!そんなこんなで、クレーリアちゃんがエロパーティーをしてるとか、11人の若者達を魔術にかけて操っているとか、またもや社会の避難の的になりました。が、真相は謎のベールにかかったまま。
「幽霊」は、この11人の美男子?
Villa Simonettaの建築構造の特徴として、エコーがあったと言われています。庭から建物に向かって叫んだ言葉が、こだまして反響するそうです。が、第二次世界大戦の爆破を受けて、別荘は改築された部分が多く、今ではこの反響効果は失われてしまったそうです。
「幽霊」はこだまから生まれた作り話かもしれません。