ところで 約束の時間までに少々時間があるからこの用事もあの用事も済ませられる、と私のように欲張ってこなしてしているうちに約束に遅刻をしてしまう、と言う事はみなさんも少なからず経験がある事でしょう。遅刻とまではいかなくても時間ギリギリに汗だくになって到着した私を見つけて「へぇ、遅刻する日本人も世の中には存在するんだね」と皮肉なコメントを浴びせるイタリア人もいるもので、そうすると日本人の時間厳守には定評があって信頼性があるものなんだなぁ、と実感させられたものでした。
さて、20年、30年前までは日本の電化製品は技術の最先端を走っていたので、日本に旅行したイタリア人達は、ファンタジー映画を見たかのような、そう、まるで未來を見てきたかのような表情でイタリアに戻ってきたものでした。
最先端を行っていたおかげでしょうか、聞くところによると私がイタリアに移住する前の頃の話、外国人移住者が移住の滞在手続きをする管轄署には日本人専用の窓口が設けられていたとか。きっと日本語を話す親切な係りの人が丁寧に応対してくれいたのであろうと想像します。が、そんな窓口は無くなった時代にイタリアに来た私は、溢れかえる千差万別の人種に混じりひたすら自分の番が来るのを待ったものでした。番が来てオズオズと窓口に行くと、持って来るべき書類が違うとか書類が不完全とか冷たくあしらわれ、その対応の悪さを非難する語学力も無かったので憮然としていると怒鳴られたりして悪事を働いていなくても悪人のような気分にさせられたものでした。
何であの魔法の窓口はもう無いんだ??何度思ったことか。
今日に至っては、経済的に勢いのある中国がアジアで最も関心のある国となりましたが、イタリアで日本への根強い人気が健在なのは喜ばしい事です。それは日本製品の質の安定と信頼度の高さや、時間厳守の日本人、それこそハチ公のような忠実な日本犬の存在のお陰もあるかもしれません(笑)
最先端を行っていた頃の名残と思われる別の例が、日本人にしか部屋を貸さないと決めているイタリア人の大家さん。私の住まいのそばに日本人だけが住んでいるアパートがあり、当時は声楽家の留学生が多かったので歌の練習が出来る様にピアノまで設置してあると聞きました。
加えて、日本人相手にビジネスを立ち上げたい、と言うイタリア人は今でも意外に多くいるもの。両国とも世界において長寿国ナンバーワンなので、高齢化社会を意識したスタートアップのビジネスだったら需要が共通していて成功するかもヨ、と私は勧めているのですがどうやらそんなタイプのビジネスではなさそう、、、