「良いクリスマスを!」とか「クリスマスおめでとう!」など散々に言い合っていた12月。その中で、あるイタリア人のお子さんが「有難う。でも私はクリスマスのお祝いはしないの」と返事を返してきて私は驚いたのでした。イタリア人の中には私が思っている以上に仏教に改心をしている人が多いので、そこから私が推測したのは、キリスト教徒ではないご家族のお子さんかしら?
それにしても、キリスト教徒でなくてもほぼ世界中が商業的にクリスマスを祝うようなこのご時世に、頑なにお祝いをしないとは一体どういうことでしょう。
尋ねてみると、ベルガモという町ではクリスマスにはお祝いしない習慣なのだそう。ベルガモはミラノからたったの50キロの距離。こんなに間近にある町に全く違う習慣があるとは思ってもみませんでした。
「じゃぁ、クリスマスにプレゼントはもらえないの?」と気の毒に思いながら、おずおずと聞いてみると「うん、もらえない。でも、12月13日にお祝いしてプレゼントはいっぱいもらったよ」と言うのです。
12月13日??
12月には沢山の祝日があるけれど、私は13日のことは知らなかったのです。12月13日は聖ルチア。ベルガモでは、あのサンタクロースではなくて聖ルチアが13日プレゼントを運んでくれるのだそうです。
ルチアという名前には光という意味があって、12月21日が1年の中で最も日が短い冬至の日となっていますが、グレゴリオ暦上では12月13日が冬至。で、聖ルチアが光を持ってきてくれる日ということでお祝いをするのだそう。ベルガモとその近辺のブレーシャやヴェローナなどに聖ルチアをお祝いする習慣が残っているのかと思いきや、ミラノから南東に30キロ下った所のローディや、更に南東に30キロ下ったクレモナで聖ルチアを祝う習慣が残っているとかで、ここで一気に南下してシチリア島にあるシラクーザは守護神が聖ルチアなので、勿論12月13日はお祝いをする日。
ベルガモに住んでいる友人に聞いてみると、幼少の頃12月13日はお祝いをしたけれど25日にお祝いをした経験が無かった、と私の好奇心に答えてくれました。ついでに教えてくれたのが、オランダ語読みのサンタクロースは、英語ではサンタ ニコラウスで、イタリア語ではサン ニコラ。聖ニコラは12月6日なので、12月6日にサンタクロースが来るイタリアの町もあるのです。
何れにしても12月はどこもかしこも祝日だらけ!