お寺?神社?それとも山とか島とか?
どんなことを感じましたか?
先日、ウンブリア州に公演に行きました際に、これは正にパワースポットと思った経験をしました。ウンブリア州はトスカーナ州とマルケ州にサンドイッチのように挟まれていて、イタリアで唯一の海を持たない州なのです。近辺の州より緑地や森林が圧倒的に多いのが魅力で、ウンブリア州を気に入っているイタリア人はとても多いのです。ウンブリア州のなだらかな丘陵や小山が続く風景は、 写真集によく載っているようなトスカーナ州の田園風景にもよく似ていて癒されます。
ウンブリア州に入って目的地の元僧院に向かう途中、この辺りには魔女が多いと言われて、一瞬怖気づいたのですが、よくよく話を聞くと魔女と言っても私が想像したイボだらけで鷲鼻の顔に、鉤爪を見せて薄気味悪く笑っているような怖い魔女では無く、どうやら心がけも行いも良い魔女らしいのですが、、、それならば魔女と言わずに妖精とでも言ってくれればいいものを、、、と内心苦笑したのです。
さて、私が演奏旅行に行った場所は、ウンブリア州にある丘の上にある聖ビアージョ僧院を リゾートホテルに改築した所。僧院だったことから教会もあって、今ではそこをコンサートなどのイベントに活用しているのです。
リゾートホテルに到着したとき笑顔で迎え出てくださったオーナーやスタッフ。魔女の話を聞いたがために、その笑顔の奥に魔性が潜んでいるようかのように見えてきて、本当は魔女なのかもしれない、などと見入ってしまったり、、、
イタリアの僧院では、乳製品、オリーブから作るオイルや、石鹸や、ビール作りなどが行われ独自の製品を販売しているところが多いのですが、ここのリゾートホテルも豊かな自然に囲まれた立地条件を利用して僧院時代だった頃から伝わる薬草治療や、独自の製品を製造販売しています。
そして興味深いスパの1つに、干し草ベッド。首元や背中に泥パックを施してもらった後に干し草が敷き詰められたベッドに横たわり、お腹と太もも部分には温められて湯気立つ干し草を乗せてもらったら布で包まれて干し草の優しい香りを嗅ぎながら40分ほどリラックス。たったこれだけで、筋肉がほぐれて腰痛などの痛みが和らぐのが不思議。
スパが売り物のリゾートホテルなので、もちろんマッサージやサウナなどの施設が完備。その中のヨガをする空間には、人によっては強力なエネルギーが詰まっているのを感じるそうですが、残念ながら私は鈍感なので、そう言われてみれば何だかビリビリしてきたような気はしましたが、、、
さて一番強烈だったのは、誰も近寄ってはいけない、と言われている空間があるのだと聞いていたことです。確かに、ホテル内を案内してもらっている時に、階段を降りた先にまだ何か見学できそうな所がありそうなのに、スタッフが降りるそぶりも見せずに上階に戻ろうとするので、聞いてみると「何もありませんよ」との返事。入れない空間があるらしいと聞きつけたことを言って更に突いてみましたが「何もありません」とそっけない返事が繰り返されました。「本当に何も無いですけど、どうぞ」とは言わないなんて興味深いではありませんか。
「見たな〜」と魔女かなんかが出てきて閉じ込められたら恐ろしいので、それ以上は追求しないことにしたのでした。