そんなことを呟くと「イタリアに居るのに、君はスタジアムにサッカー観戦をしに行ったことがない?!」と非難めいた驚きの声をイタリア人はあげます。
イタリアに住んで居るにもかかわらず自分の贔屓のチームを持っていないなんて、自分のアイデンティティーを持っていないも同然のように見られてしまうほど、熱狂的なサッカーファンの国。
そんなイタリアが、カタールW杯の予選落ちをした出来事はイタリアのサッカー界どころか、それこそイタリア国民のみならず世界全体のサッカーファンが、腑に落ちない気持ちになったに違いありません。その事件がきっかけなのか、イタリアのサッカーシステムを見直す羽目になっていて、その一つがスタジアムの再建計画。が、難航中。
その傍、ミラノ市内のバスケットボールコートの再建計画が着々と進んでいて、こちらはミラノのバスケットチームのスポンサーである、スタイリスト ジョルジオ アルマーニが、ミラノ市内の公園にある公共バスケットボールコート5箇所の再建計画に資金を提供することになりました。
屋外バスケットボールコートなゆえに、風雨にさらされて痛みが激しいらしいですが、デザインの国イタリア、しかもアルマーニがデザインということもあって、5箇所それぞれにスタリッシュな柄のコートが仕上がることが計画されていて、完成が楽しみです。
サッカーに話を戻すと、イタリア人のサッカー熱は周知の事実ではあるのですが、どれくらいかと言うと、例えば服装の色が意味を帯びてくる、と言うのが日常的に感じられる身近な例。ミラノには、永遠にライバルと呼ばれる2つのサッカーチームがあって、一つはACミラン、もう一つはインテルと呼ばれていますが、ACミランの公式カラーは、赤と黒。インテルのは青と黒。
だから、そんなコーディネートの服装をした日には、ミラネーゼたちからのコメントが続発。例えばインテル ファンの友人と出会う日に赤黒色で服装のコーディネートをしていくと、すかさずチャチャが入るというわけです。一般には、ACミランのファン層は元々の労働階級系で、インテルはブルジョワ系と言われているのですが、私の周りを見渡すとそれはあまり当てはまらないので、最近は傾向が変わってきているのでしょう。
上手なプレーをする選手がいるからとか、ハンサムなプレーヤーがいるからとかがそのチームのファンになる理由かと思いきや実はそうではなく、お父さんが応援していたチームだから、つまり家族代々からの流れでチームを応援するケースが殆どだったのです。チームの応援とは、地域との絆で地域ぐるみの活動の一つだったのでした。