自分の体のどこかにタトゥーを入れるのが、ファッショナブルで当たり前の今日この頃。
一昔前の世代の人たちには、考えられない現象ではないでしょうか。日本でしたら刺青とヤクザの蜜な関係があり、西洋でしたら収容所行きの囚人たちにまつわる歴史があるので、自分の皮膚に印などを刻み込む事に抵抗がある世代なのだと思います。
一方、タトゥーを入れる方の心理はどんなものなのでしょう。動機は様々でしょうが、基本的には格好いいとかお洒落だと思って入れるに違いありません。タトゥーを入れた事によって自分に自信が持てたりする、という話を聞いたことがあり、つまりアイデンティティー探しの結果、タトゥーに行き着く人が多いという事でしょうか。
イタリア人の同僚が、タトゥーを入れることを決心したと言ってきた時は、40歳の女性という年齢や、それにタトゥーの化学成分による体への悪影響などを色々考えて私は勧めなかったのですが、結局彼女は入れて満足そうでした。が、このタトゥーにはおまけ付きの話があって、それは桃の花とその枝のカラータトゥーを背中に入れるというので、自分で見られない部分に入れたら観る愉しみが無いじゃない、と冷やかし半分に指摘したのでしたが、結局背中に入れていました。
おまけ付きのエピソードには追加もあって、それは両親に叱られるので内緒で行うので決して言わないでくれと。40歳にしては頼りない発言というか未熟なもんだな、と私は呆れて返す言葉を失いましたが、露出した服装をした時にこのタトゥーがチラリと見えることによってちょっとした注目を浴びること、それによって可愛らしい彼女がタトゥーを愛でるという驚きの波紋が周りに生まれる、そんな一種のゴシップ的な要素がタトゥーを入れた動機の一つなのかもしれないと思ったのでした。1人で行くのが心細いのか何かの理由で友人を連れて行ったと言っていたので、タトゥーを刻んだ事によって彼女に自信がつき、自立心が伸びたかな、と思い巡らしている所です。
ところで、イタリアでは漢字のタトゥーを入れることがとても流行りました。
が、ここで問題が。
どうしてそんな漢字のタトゥーを入れてしまったのぉ?!と言いたいケースがとても多いのです。なんとなく思い出すのが「良妻」なんていうタトゥーを頸に入れていた同僚、、、持つ意味は決して否定的では無いにしろ、お墨付きならぬタトゥー付きの立派な奥様という自分の宣伝なのかしら?!
その後、不思議な漢字のタトゥーを頻繁に見かけるようになり、目が釘付けになってしまった事によって漢字の意味の確認をさせられ、挙句の果てには、タトゥーを施したタトゥーアーティストの所まで連れ込まれて証言まで強いられそうな気配なので、タトゥーを見ないようにする事に決めました。
漢字が鏡写しになってしまった左右反転型のタトゥー、上下逆様になった漢字のタトゥーなど、西洋人の漢字タトゥーには色々な事件が起きているようです。
小学生時代の漢字の勉強やテストは、大変でしたよね。
つまり漢字は奥が深い世界。
- 2023.05.18
- タトゥー