ここ何十年かはパワースポットが話題になったりしていて、私たちはそういう科学的に立証されていない物事、現象や言い伝えに敏感になったり、頼ったり、避けたりと日頃から意識して生活しているのではないでしょうか。
日本では、お節料理の数々の品に、それぞれ意味や願いがこめられていますが、お節料理の無いイタリアでは、煮込んだレンズ豆をいただくのが慣習で、そうするとお金持ちになれるとかいったような幸運に恵まれるらしいです。効き目があるにしろ無いにしろ、日本のおせち料理の美しさには到底かないません。
ところでイタリア人は、迷信深い国民なのですよ。
その中で、イタリア人と乾杯をする時のためにあなたに覚えておいて欲しいのは、イタリア人は「チンチン!」と嬉しそうに叫んで盃を上げますが、日本人の私たちはその瞬間にぶぶッと笑いを漏らしてしまいます。そこでなんで笑ったのかの説明は後回しにしてあげましょう、なぜなら、重要な意味を持つ儀式が続くので、それをまず終わらせましょう。乾杯をして盃を交わす時は、相手の目を真正面から見据える事がまず最初の大事なこと。さらには、儀式が済んだと思ってグラスを置いては駄目なのです。一口飲むことが大事。これは、中世時代に、倒す相手の飲み物に毒を入れる方法が流行った事から発展して、今日ではお互いに見つめ合って乾杯をすることは、信頼の印という意味を持たせるのです。一口も飲まずにグラスをおくな、と言うのも同じ意味が含まれていると思います。
数々ある迷信の中には、日常的に頻繁に起こりがちなことも多々あって、例えば、目の先で黒猫が道をよぎると、イタリア人は必ず反応します。右か左に曲がって迂回しようとさえ言う人もいれば、仕方なく見なかった事にしようと言ってそのまま直進する人も。西洋では、夜に徘徊する黒猫の体が見えないのに目だけが光るせいで、馬が驚いて暴れる事から派生していって、不運をもたらす生き物という見方が根付いてしまったそうですが、日本では、夜目が効いて、目だけが光って見える事から、魔除けをしてくれる福運な生き物。
私も、2024年は道を横切る黒猫の迷信を信じて慌ててみようかしら?それはそうと、私が面倒臭がって、イタリアでの迷信に逆らってしてしまっている事が一つあります。それは雨の日に使った傘を家の中で開いて干してしまうこと。イタリアに住み始めた当初から、不運をもたらすから駄目よと言われ続けて、それでも屋内で開いて乾かし続ける私は頑固者または愚か者としか言いようがありませんね。なのでこの記事を書きながら、2024年は迷信を尊重して、傘を家の中で開いて干すのは止めようと決めました。でもどこに開いて干そう、、、?
その他色々、イタリアの迷信を信じて迷信深く生きるとすると、 私はライフスタイルを変えなくてはなりません。今年は傘の迷信だけにしよう、、、