杭州に向かう際にウルムチで乗り換えをしたのですが、ここでの入国審査では質問攻めにあいました。
「中国への入国は初めてですか?」
「杭州ではどちらに滞在予定ですか?」
「他にどの都市を訪問予定ですか?」
立て続けに質問され、まるで観光客としてではなく、スパイ摘発の検査を受けているような印象を受けました。不審な渡航歴がないかを確認していたのか、入国審査官は私のパスポートを2回も念入りにチェックしていました。長い時間が過ぎてようやく入国を許可されたものの、次は手荷物に関するトラブルが待ち受けていました。
私はウルムチ経由の片道航空券を使用しており、チェックイン時には荷物が杭州まで直行すると聞いていたのですが、実際はそうではありませんでした。
幸いなことに、嫌な予感がして乗り換えカウンターでスタッフに荷物の受け取りについて確認しました。すると、「ここで受け取って再度チェックインしてください」と指示されたのです。
「出発地の空港では、手荷物は最終目的地まで届けると言われたんだけど」と説明しても、スタッフからは
「いいえ。国際線からの乗り継ぎのお客様は、ご自身で荷物を再度チェックインしていただく必要があります。」
との回答が返ってきした。
もしここで確認していなかったら、私の手荷物はウルムチに置き去りにされ、私は何も知らずに杭州に向かう飛行機に乗ってしまっていたことでしょう。
旅の知恵
中国で乗り継ぎをする時は、必ず手荷物の取り扱いを再確認!
ようやく杭州に到着すると、柳の木に囲まれた西湖は静かで美しく、私の期待に違わない、素晴らしい場所でした。湖畔で長い散策を楽しみ、雷峰塔まで足を延ばすと、伝統衣装に身を包んだカップルたちがウエディング写真を撮影していました。
湖畔の風景(動画)
https://youtu.be/eBG-MWwULJA
杭州には、西湖の近くにあるin77(イン・チーチー)のような高級ショッピングモールが複数ありますが、お得に買い物ができると期待してはいけません。意外なことに、高級ブランド品の多くはヨーロッパよりも高価で、免税が受けられることを考慮しても決して安くはありません。
なぜこんなに高価なのかを店員に聞いてみたところ、
「輸入税と高い需要のためです。中国の顧客は本物志向が強く、地元で購入したがるのです。」
という返事が返ってきました。中国でしか手に入らない商品を求めているのでなければ、別の場所で買い物をする方がいいかもしれません。
杭州の繁華街(動画)
https://youtu.be/WKURqFjtWSI
中国ではスマホ決済が主流で、アリババ(Alibaba)の本拠地でもある杭州はキャッシュレス決済の中心地です。しかし、外国人である私は支払時に2つの問題に直面しました。
VISAカードは大規模なホテルや外資系チェーン以外では受け付けられないことが多く、現金は小さな店やタクシーではほとんど使用できませんでした。
そのため、国外のキャッシュカードが使用できるATMを探したり(これはなかなか見つかりませんでした)、レストランで現金払いを受け入れてもらうようお願いしたりする必要がありました(中には渋々ながら受け入れてくれる店もありました)。外国人向けのAlipayツアー・パス (Tourpass)には大いに助けられたのですが、利用額に制限があるのが難点です。
旅の知恵
到着前にAlipayかWeChat Payを使えるように設定しておきましょう!
中国随一のデジタル経済都市である杭州は、先端技術で溢れています。街を走る車の多くはBYDやNIO、Xpengといった中国製電気自動車で、巨大で洗練されたアリババ本社の敷地は外観だけでも一見の価値があります。また、防犯カメラなどを扱う世界的企業ダーファ・テクノロジー(Dahua Technology)のオフィスは近未来的で、まるでSF映画の中に入り込んだような感覚を覚えました。
杭州は息を飲むほど美しい街ですが、手荷物の混乱や支払時の苦労、厳しい入国審査などの困難もあり、今回の訪問はまさに冒険のような旅でした。
また行きたいかと聞かれたら、答えはもちろんイエスです。でも、次回はスマホにAlipayをインストールし、VPNサービスを契約し、入国審査に備えてホテルの住所をプリントアウトして持参するなど、万全の準備をして臨むつもりです。



