秋の日差しが照らし出す秘密の森
実際にやってみて分かったのですが、フォンテーヌブローは狩猟採集の場としてなかなか人気があり、冬の霜が降り始める直前の湿気が多いこの時期は、特にキノコ狩りには打ってつけの季節だったのです。さらに付け加えると、フランスの薬剤師、特に森を擁する地域の薬剤師は、食用のキノコと有毒なキノコを見分けるための訓練を受けており、収穫したものを近くの薬局に持参すればそれらをチェックしてもらえるので、人々は思う存分キノコを採集することができるのです。とは言いつつも、キノコが生えている場所など全く分からず、ましてやどのキノコを取ればいいかなんて見当もつかないことは自分でも承知していたので、同好の士によるグループを見つけてキノコ狩りに協力してもらうことにしました。良き友の案内で森を歩く
湿度が高めの週末の朝、一緒に森へ出かけたのは、1人は森の地質学に精通し、1人はプロのキノコ案内人まであと一歩というメンバーを含む5人グループです。私たちは手に手にスイス・アーミーナイフを持ち、曲がりくねった森の道の途中でしばし立ち止まっては、手で触ってもよいキノコ、遠くから眺めるだけにとどめるべきキノコを教わりながら歩いて行きました。食べられるキノコを見極めるコツが分かってくると、車を降りてから歩いて来たわずかな距離にどれだけたくさんの食用キノコが生えていたかに気付き、みんなで大いに驚いたのでした。様々な種類の毒キノコ
頂上からの眺め
美味しそうな手作りデザート―楽しいピクニックに欠かせない存在
美味しいキノコで溢れかえったバスケットを抱えて帰りの車に乗り込むと、私たちは当然ながら次の目的地である薬局へと向かいました。毒キノコに関してはどのような場合でも、イチかバチかの勝負には出ないことです!幸運なことに、私たちの収穫したキノコの大部分が食用でした。しかも、ただ食べられるだけでなく、美味しい種類だったのです。リゾット、目の粗いパン粉とパセリの衣を付けて揚げたフライ、スープなど好きな調理法で楽しむことができるのですから、キノコ狩りをする機会がある人は是非とも体験してみてほしいと思います。土から採ったたばかりのものを食べることができるのは愉快な気分だったし、一緒に行った博識な友達がいなければ、毒キノコが口に入るのを防ぐ術も分からなかったはずです。この森でまたどんな面白い経験ができるだろうかと、すでに楽しみでたまらない私です。 林床に生える食用キノコ、ニセイロガワリ(学名Imleria badia)