冬の渓流 頂上のモニュメントが見える
クロイツベルグ山の上、滝の湧き出る場所のすぐ後ろに国定記念物があります。1821年にカール・フリードリヒ・シンケル(Karl Friedrich Schinkel)の設計によるモニュメントで、ナポレオン支配からの解放戦争が描き出されています。シンケルはプロイセン王国の建築家で、ベルリンの色々な場所に彼の業績を、今日もまだ見る事が出来ます。当時、鋳鉄を使ってモニュメントを作るということは画期的な事でした。国定記念物の十字の形に丘の名前、クロイツベルグが由来しています。
- 2016.01.29
- ビクトリア公園
ベルリンはドイツの首都で、緑が多い街です。公共緑地率は12.5%と、他の街と比べても割と高くなっています。そのようなベルリンにおいて、格別広い訳ではありませんが、私が一番好きな公園の一つに、ビクトリア公園があります。
この公園のある行政区はクロイツベルク地区ですが、クロイツベルグ、直訳すると「十字山」という小さな丘が、このビクトリア公園の中にあります。ベルリンはかなり平らな町なので、クロイツベルグ山は、たった66メートルの高さでもベルリン市街地としては一番高い場所になっています。丘の下には広い草地が広がります。太陽が出る暖かい日には、すぐ人で混んで、皆あちこちに座ってうさぎや山羊がいる場所は子供たちに人気があります。丘の頂上へは、くねくねと曲がった散歩道や、渓流の岩を伝って上ることができます。
この渓流が、ロマン主義的に演出されたこの造園の一番の見所といっても良いでしょう。このビクトリア公園の滝は、ドイツ語ではリーぜン山地(Riesengebirge)と呼ばれるクルコノシェ山脈の滝、ツァッケルファッル(Zackelfall)がモデルになっています。ベルリンの様々な公園も手掛けたヘルマン・メヒティヒ (Hermann Mächtig)は、そもそもは人工的に連なる滝、カスケードを造る計画でしたが、結局は自然の滝のような今の渓流が1894年に出来上がりました。水の凍ってしまう冬以外、滝の水は一年中ずっと流れています。
国定記念物
しかし多くの人は、モニュメントそのものではなくて、見晴しを求めてこの場所にやって来ます。丘の頂上からは、全ベルリンを見渡すことができます。そこから見る夏の日の入りは特にきれいだと思います。
雪を楽しむ子供たち
犬と散歩する人、ピクニックする家族づれ、ジャンベを叩く人、ジョギングする人、夏は日光浴する人や冬ならばそりに乗る子供たちなど、観光客から近隣の人までビクトリア公園は誰でも楽しむことが出来ます。