- 2015.11.27
- Dutch food / オランダの食べ物
外が寒くて暗くなってきたオランダで楽しめる事の一つはオランダ料理です。具沢山のスープ、シチュー、煮たじゃがいもや野菜、柔らかく煮たお肉や、リンゴソースのかかったジューシーなソーセージは、仕事や学校などの長い一日の後に、体を温めてくれます。オランダ料理は外国で特に知名度が高い訳でもなく、オランダ人自身も料理の遺産を特に誇りに思っていないようですが、実は、様々な国際的影響を受けたとても面白い歴史がオランダ料理にはあります。16世紀に当時流行っていたフランス料理から影響を受けただけではなく、16世紀末から、インドネシア、スリナム、アンティル諸島や南アフリカがオランダの植民地になったことを通じて、数々の新しい調味料がオランダでも使われるようになりました。言うまでもなく、家に窯を置くようになったことなど、調理器具の発展によって料理の仕方が変わってきたこともその一つです。というと、伝統的なオランダ料理とは何なのか、と単純に定義するのは難しいかもしれません。そこで、間違いなくオランダ料理と思われる食べ物のいくつかをご紹介します。まず、オランダの食生活の大事な一つであるパンです。多くの人が朝ごはんも昼ごはんもパンを食べます。種類は様々で、白いパン、黒いパン、全粒穀物パン、雑穀パンにスペルト小麦パンなど。日本のパンと違って、オランダのパンは甘くなくて、白いパンでも食パンほどふわふわではありません。そんなに美味しくなさそうに聞こえるかもしれませんが、オランダ人の私にとって、オランダ産チーズが乗った全粒穀物パンのサンドイッチは最高においしいです。ほとんどのパンは甘くないですが、北部のフリースラントという州の名物に砂糖パンがあります。パン生地に混ぜられた砂糖の大きい固まりが、焼くと少し溶けて、とても甘くてねっとりとしていて、バターを塗って食べると美味しいと思います。次に、オランダの典型的なスナックは“クロッケ”です。外側はサクサクで、中身にクリーミーなラグーが入っている揚げ物です。日本のコロッケと形も中身も違いますが、歴史的には関連があると言われています。スナックとして食べる習慣もありますし、パンに載せて、潰して、マスタードと一緒に食べる習慣もあります。潰すところが美味しさの秘訣です。最後に、リンゴと赤キャベツとマッシュポテトを添えた“ハシェー”という肉料理を、晩ご飯の例としてご紹介します。“ハシェー”とは、玉ねぎ、ローリエとクローブを一緒に柔らかくなるまでゆっくり煮込んだ牛肉です。味はとても豊かで、柔らかい肉は、みじん切りの赤キャベツとリンゴを煮て混ぜた甘いポテトによく合います。オランダ料理の多くのレシピは煮たじゃがいもか潰したじゃがいもが材料になっています。また、野菜や肉やソーセージを加えて、肉汁をかけて食べることが多いです。比較的にシンプルな料理の仕方ですが、おいしい組み合わせは無限にあります。アムステルダムには、もちろん、伝統的なオランダ料理を供するレストランがいくつかありますが、大阪にも、「アウデ・カース(Oude Kaas)」というオランダ家庭料理のお店があります。是非、一度オランダ料理を試して頂けると嬉しいですね。