• 2015.04.16
  • 世界三大宗教イベント 台湾媽祖の巡礼「三月瘋媽祖」
“媽祖(マーズー)”は、航海・漁業の守護神として、中国沿海部を中心に信仰を集める道教の女神です。その昔、開拓民として、多くの人々が中国の南大陸から台湾島へ移住しました。人々は、“媽祖”を祀って航海の安全を祈り、同島へ無事到着したことに感謝して、島内に“媽祖”の廟祠を建てました。“媽祖”は広く信奉され、今では、台湾で最も親しまれている神様の一つです。

毎年旧暦三月二十三日は“媽祖”の誕生日とされ、台湾全土の“媽祖”廟では盛大なお祭りが開催されます。これが、「三月瘋媽祖(サンユェ・フォン・マーズー)」です。

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台湾の“媽祖”文化は二つに分けられます。一つは、西元1694年に建てられた雲林「北港媽祖朝天宮」、もう一つは西元1730年に建てられた台中「大甲媽祖鎮瀾宮」。

「北港媽祖」巡礼は、神輿が町中を練り歩き、神輿下で爆竹がバチバチと打ち鳴らされるもの。台湾三大爆竹祭りの一つとされ、日本でもお馴染みの祭りです。旧暦三月十九日が南通り巡り、同三月二十日が北通り巡りと、巡路は毎年違います。「朝天宮」は、台湾で最も多くの分霊をもち、数えきれない人々が参拝に訪れます。

一方、「大甲媽祖」巡礼は、九日間で百十一廟(ミャオ)を巡るもの。距離にして330km、巡礼者数は延べ百万人以上にも及びます。

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初日の花火は台湾ドルで億単位、如何なる祝祭日をも上回る規模です。訪れる各地では、町の人々が巡礼者へ無料で食事を提供したり、その日限りのナイトマーケットを開いたり、さながら動く祭りのようです。
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ディスカバリー・コミュニケーションズが、「バチカンのクリスマスミサ」、「メッカのハッジ」と並び、「台湾の媽祖巡礼」を世界三大宗教イベントとしたのもうなずけます。

今や“媽祖”は、海の女神だけではなく台湾の守護神とも言われています。

旧暦三月は四月中旬頃、この時期、台湾へ来られたら、媽祖巡礼を是非ご覧ください。もちろん、Googleでも「媽祖繞境」と検索すると、たくさんの映像や写真をみることができますよ。

特派員

  • 林 瑋倫
  • 職業会社経営

京都市立芸術大学院を卒業後、国際コラボ事業を中心にコンテンツ全般・版権/肖像権取引、ロケ地/マーケティング企画など、台湾コーディネーター兼プロデューサーとして活躍。2011年から、ボランティア事業も開始するため、NPO「未来電影日」を創立。

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