- 2015.09.11
- 不思議の街 サンパウロ
初めまして、サンパウロ市からの参加です。こちらの情報をお伝えできますこと、嬉しく思います。
ブラジル国の首都はブラジリアですが、皆様もご存知のとおり、サンパウロ市のほうが有名です。国内最大の金融都市、また南米最大の工業地帯を持つサンパウロ市。その人口は約1150万人。
ポルトガル、イタリア、ドイツ、日本、スペインなど、多くの移民が入り交じり、どこの国の街かよくわからない雰囲気の中、皆和気あいあいとした、面白い街です。
お土産の定番の一つのポストカード、サンパウロ市と言えば『パウリスタ通り(Avenida Paulista)』です。この通りはほぼ直線で、長さは2.7km。昔は大農場主の屋敷が建ち並んでいましたが、60年代からはオフィスビル、ホテル、銀行、美術館、ショッピングセンター、領事館、病院などに変わっていきました。サンパウロ市最大のオフィス街です。
こんなにも知名度の高い大通りですから、もちろん色々な会場にもなります。今年で19回目を迎える世界最大のゲイパレードや、クリスマスのデコレーションとイルミネーション、大晦日のマラソン大会(São Silvestre)、年越しカウントダウンイベント。忘れてならないのはストライキとデモ。去る8月、大統領と労働者党(PT)の退陣の抗議集会には、13万人も集まりました。
パウリスタ通りには市バスとメトロが走っています。今年の6月末には自転車専用レーンが開通しました。幅4m、二方向用で、大通りの中央部に設けられています。オープンの日には、自動車は両方通行止めになり、家族連れで自転車に乗ったり、ただウオーキングしたりと、街の大きなイベントとなりました。
この大通りにもさまざまな問題点があります。交通事故や、盗難事件のほか、浮浪者が歩道で寝ている風景はあちこちで見かけます。彼らによると、「人通りの多い場所で寝ているほうが自分たちの荷物を盗まれなくて安心できる。」とのこと。税金を納めず、手作りのピアス、ブレスレット、マフラーなどを売っている人も、この歩道で多く見かけます。勝手に歩道で物を売買することは違法ですから、時にはお客さんをそっちのけで、査察官に捕まらないように、急に荷物を片づけ走り出す人もいます。
いつも渋滞し、クラクションに救急車のサイレン、急ぎ足で歩く人達と、なんだか慌ただしいこの大通り。そう思いながら歩いていると、美術館やカフェがあったりして、気が付くと周りを忘れてゆっくりしている自分がいる。こんな不思議な雰囲気をもつ街、それがサンパウロです。