ブラジルでは、インスタント・ラーメンが作られ、販売され始められたのが、1965年です。当時は明星食品が出していたことから、インスタント・ラーメンの事をブラジル人は「miojo」(ミオジョと発音)と言ってました。価格が安くて簡単にできることから、こちらでもすぐに人気もの。それからというもの、どのスーパーでも簡単に見つかる品になり、また、どの家庭でも「miojo」が必ず棚に入っているようになりました。2013年の世界のインスタント・ラーメン消費量のデーターを見ると、ブラジルはなんと10位です。そして、ブラジル人の好みのラーメンは、麺が柔らかくて、地鶏味が一番人気とのこと。確かに味噌味や醤油味は、ブラジル料理には入ってませんので、好まれないのかもしれません。
10年以上も前に東洋人街にラーメン屋Askaができ、自家製の麺を作っていることで客を集めました。インスタント・ラーメンの味しか知らなかったブラジル人や日系人が、日本の本格的なラーメンだと、今でも行列が絶えることなく繁盛してます。この店は味も良く、安いことで人気です。
2006年にサンパウロ近郊にある、Moji das Cruzes の街にMNFood 会社がラーメンの麺を作り出してから、居酒屋や日本食屋でおいしいラーメンが食べられるようになりました。2015年には、サンパウロ市にShinkiという麺製造社ができ、人気日本食店に麺を提供してます。 2016年5月にオープンしたJojoラーメン店は、東京都のラーメン店のオーナーを呼んだことで注目を浴びました。彼は、日系の農家を訪ね、麺をはじめ、醤油、味噌など、ブラジルの食材を使って日本で出しているラーメンと同じ味を出すことを実現しました。開店直後は2時間待ちという大人気。約2年後の今でもオープン前には数人が並んでます。
Jojoラーメン店がヒットしてからというもの、次々にラーメン店が開店し、サンパウロは、まさにラーメン ブーム真っただ中です。すでに10店舗以上あります。また、牛丼屋で知られている「すき屋」も10店舗以上あるのですが、こちらではラーメンも扱っており、人気のようです。
ブログやインスタグラムなどで、店のラーメンが紹介されるので、早く食べてみたい気持ちが高まるのでしょうか、どの店も繁盛しているようです。
日本でラーメンと言えば、安くて早く食べられる、ちょっとファーストフード的なイメージがあります。しかし、こちらでは違います。ブラジル人は食事をゆっくりとることが好きであり、また、習慣になってます。昼食時は職場の人と、夕食は家族や友人と、レストランでゆっくり食事をするので、ラーメン店でも同じです。日本人がこだわる、「麺がのびる前に食べる」は関係ないようです。
客が店の中にいる時間が長いということで、どこのラーメン店も家庭的な雰囲気よりも、モダンでおしゃれな店が多いように思えます。この点ではブラジル人の好みに合わせているのでしょうね。