Fazenda (ファゼンダ)とは農場の事です。ファゼンダ・ホテルとは農場の敷地内にあるホテルの事を言います。ブラジルでは1986年に初めてサンタ・カタリーナ州のラージ地域で農村観光ができるようになり、後にこのような観光地がリオ・デ・ジャネイロ州、サンパウロ州、ミナス・ジェライス州に広がりました。2005年には、12,000件ものファゼンダ・ホテルが登録されているとのことです。
1840年以降にコーヒー豆、サトウキビ、トウモロコシやオレンジなどの栽培する大きな農場がリオ・デ・ジャネイロ州とサンパウロ州にできました。その後、1970年代頃から産業が発達し、農場で働く者の多くが、街へと移動していきました。農業だけでは経済的に困ったオーナーたちが、自分たちの敷地内に農村観光と宿泊できる場を設けたのです。サンパウロ市からでも、100km程離れた場所にファゼンダ・ホテルがあります。
街の中にあるホテルと違って、ファゼンダ・ホテルでは、アウトドア・スポーツがたくさんできます。サッカー、テニス、プールの他に、魚釣り、ラフティング、バランス・スポーツのスラックライン、ツリーイング、ワーキングなどです。馬に乗れることもあります。ホテルにはその日のアクティビティを組むレクリエーション担当のお兄さんやお姉さん達がいます。こちらでは、「モニター達」と呼んでます。朝から晩まで色んなイベントをし、声をかけてくれます。また、モニター達が責任をもって子供たちを見てくれるので、子供たちのアクティビティに親が付き添う必要がなく、親にとって安心で解放的です。子供たちもすぐにお友達ができるようです。
農場の敷地内でのホテルなので、果物畑があったり、街では見ない変わった鳥が飛んでいたり、すぐ近くにアヒルが歩いていたりします。ヤギや羊に餌をあげることができるところもあります。
アウトドア・スポーツよりも、自然の中でゆっくりしたい人には、庭には椅子やハンモックがおいてあり、読書やお昼寝が楽しめます。ただ座って鳥のさえずりを聞いたり、風の音を聞いたり、太陽がゆっくり沈んでいくのを見るのも気持ちの良いことでしょう。
空気が良いせいか、好きな事ばかりしているせいか、食事の時間は何でもおいしく召し上がれます。ビユッフェ形式の食事には、その農場で収穫された果物や野菜も出て、食が進みます。
モニター達は、その地域や町の歴史や文化の事も語ってくれます。近辺に湖、滝、川などがあると、数人のグループを組んでホテルから観光できる場合もあります。
ファゼンダ・ホテルでは、朝から晩までラフな格好でいられるのがいいところです。子供たちもビーチサンダルや素足で走り回り、各部屋に戻るのはシャワーと寝るときだけの様子。たくさんのエネルギーをもらえる場のようです。
そして最近では、犬のペットも一緒に宿泊できるファゼンダ・ホテルが増えました。家族の休暇にも一緒にいられるペットは幸せですね。
景色の綺麗なファゼンダ・ホテルではドラマのシーンや写真の撮影場所としても使われているようです。
是非一度、ファゼンダ・ホテルに宿泊してみてください。