まず子供が誕生したら、病院が発行した書類を持って生まれた地区から一番近いCartorio (登記所)に父親が行きます。登記所で出生証明書を発行してもらいます。無料です。現在は都会の産院内では、登記所の責任者が出向いて書類を調べ、出生証明書を発行してくれます。出生証明書には名前、出生日、両親の名前、生まれた時間と場所が記載されます。この登録は出生してから15日目までにしなければなりません。しかし母親が届を出す時の期日は子供の生後45日まで。また登記所が生まれた場所から30km以上離れている場合は登録は3カ月以内までにすることとされてます。
写真が出生証明書です。
出生証明書は一枚の紙ですが、子供が成長していくうえでとても重要な書類の一つです。幼稚園や学校、大学へ入学する時に提出する書類の一つが出生証明書です。男性の場合18歳になる年に入隊する時にも必要です。運転免許証、選挙権、もちろんパスポートを発行する時も出生証明書を要求されます。その他に身分証明書、納税者番号、労働手帳の発行にも必要です。
出生証明書がないということは、その人には公的に名前も国籍もないということになります。残念なことに、IBGE(ブラジル地理統計院)の発表では2015年に300万人もの人が出生証明書を取得していないとのこと。
この人達は何の権利も得られなく、また、学校へ入学することもできないのです。その為、出生証明書をとる必要性や権利、インデアンも所得する権利があることを伝える運動がみられます。
結婚する時も出生証明書が必要です。結婚後は、出生証明書の代わりに登記所が発行する結婚証明書を使用します。登記所では、各種証明書を発行する他に公正証書、認証、署名登録、遺言書、委任状、コピー承認などを行ってます。ブラジル初の登記所は1565年リオ・デ・ジャネイロ市に設けられました。ほぼブラジルの歴史と同じ年を持つ登記所です。一般に登記所と言っても、各種証明書を発行する文書登記所、不動産登記所、法人登記所などがあります。官僚的な手続きで時間がかかり、いつも人が大勢いるので苦情を言う人が多いですが、そこに何世紀にもわたって登記されている書類は歴史を語る書に衰えることはないとのことです。
私も大人になってからは何かと登記所に行き、署名登録をしたり、車を売ったり、物件を売買する時にお世話になります。他国ではこういう仕事は市役所でするのでしょうか。私は殆ど市役所に出向くことが無いです。
ちょっと余談です。皆さんは、未成年者の渡航同意書というのをご存じですか?ブラジルでは未成年者(18歳未満)が外国に行く際に、片親または第三者と同伴の旅行に行く度に必要な書類です。この同意書は渡航に同伴しない両親または片親が許可し署名するものです。この同意書にも署名認証を登記所でしてもらいます。
出生証明書の役目は大きいですね。私は自分のをいつも同じ場所にしまってますが、年がたつにつれて黄ばんでいく一枚を時にゆっくり目を通すのが好きです。