同じ日に英国のオクスフォード大学と英製薬アストラゼネカと共同開発した新型コロナのワクチンもブラジル国家衛生監督庁が緊急使用を許可しました。
ブラジルの新型コロナの死者数は世界で2番目で20万人を超え、感染者数も世界で3番目です。去年の10月頃には数値も落ち着いたようでしたが、年末年始の連休で1月に入ってからは数値が上がる一方。死者数が24時間で1千人を超えるほどです。サンパウロ州では再び厳しい自粛宣言がだされ、1月の30と31日の週末にはスーパーマーケット、薬局、ガソリンスタンドしか開けない状態にもなりました。サンパウロ州では2月16日のカーニバル休日もキャンセルされました。カーニバルの行進やイベントはキャンセルになりました。
年末年始のお休みで新型コロナの感染者が増えるのを予想している中で新年を迎えたので、新型コロナのワクチンへの希望が増すばかりでした。国家衛生監督庁が接種の許可を発表した1月17日に、サンパウロ市に住む看護婦のモニカ・カラザンスさんはCoronaVac を受けました。彼女は新型コロナ重症患者を受け入れているエミリオ・リバス病院のICU で働いています。ボランティアとしてCoronaVac の第3相臨床試験にも参加していました。彼女は2月12日に2回目の接種を受けました。2回目の接種を受けても、今まで通りにマスクを使い、アルコールジェルで手の消毒を欠かせないようにすると言ってました。
サンパウロ州では接種を医療従事者、先住民、高齢者90歳以上、85歳以上、80歳以上、と段階的に打っていくそうです。
サンパウロ州で接種を受けるとこの様なカードを渡されます。
私が知っている眼科の先生も1月19日に1回目の接種を受け、先日、その時の状況を語ってくれました。接種を打つために設けられた場所はとてもスムーズに進むようになっていて、医師や看護師たちのひとまず安心する雰囲気が感じられたらしい。待ちに待ったワクチンなので感激のあまり、涙する者もいたそうです。コロナの重症患者をICU で治療に当たっている医者や看護師は「戦場と同じだ」と語ったようです。心身ともに疲れ果てている中で「救いが来た」と伝えたらしい。
2月7日から90歳以上の人が1回目の接種を受けました。家にこもっていた高齢者にもワクチンは家族と再び行き来できるチャンスを与えてくれるので、皆笑顔で接種を受けてました。テレビのインタビューに出た方で一人印象的だったのが、「私は100歳まで生きたい。あと、たったの6年だよ。接種を受けたので生きられるね。」と言った男の人でした。その時の笑顔が最高でした。
ワクチンを完成するのにどれだけの専門家とボランティアたちが参加したことか。私もワクチンを打ってもらう時は感謝の気持ちで一杯になるだろう。