久しぶりにオーストラリアのテレビ番組のお話です。
今こちらでは日本能力テレビ番組「SASUKE」のオーストラリアバージョンが放映されています。アメリカでは2006年からAmerican Ninja Warrior という名前で放映されていたそうでその名をとって「Australian Ninja Warrior」として第一回目が2017年に放映されました。そして今年は第二回目が放映されています。ナインネットワーク(9チャンネル)と言うオーストラリア最大の民放局で夜7:00時から8:45まで(日によって多少異なります)放映されています。朝方のオーストラリアではこの時間はまさにゴールデンタイム、この時間に1時間半以上もの時間をとっての放映ですからこの番組の人気度の高さが伺えます。
皆さんもご存知かと思いますが、この番組は障害物をアクションゲームのようにクリアしていく番組で、老若男女誰が見ても楽しめる番組で、会場にいる観客の声援や司会者の熱い実況中継に観ているほうも見入ってしまいます。
オーストラリアでは7~8年前からヨガやピラティスブームが起こり、会員制ジムもどんどん増え始め、ブートキャンプやキックボクシングなどとにかく体を動かし鍛えることがブームとなり、男女とも筋肉もりもりの体をした人がひと昔前と比べるとかなり増え始めたと思います。この番組の出場者も男女とも鍛え抜かれた体で、女性も男性に劣らぬたくましい筋肉をしています。そして女性出場者が日本の番組よりも多いのも特徴です。
そして注目を集めたのが、ハンディーキャンプのある出場者です。
一人はパラリンピックスイマーで2008年の北京パラリンピックで金メダルを獲った人です。彼は5歳の時に片足を失いました。
もう一人は海軍所属のネイビーの青年で、バイクの事故で首と手、そして11本の肋骨の骨折という大重体で命はとりとめたものの、片足を失ってしまいました。かれは義足を取って片足での挑戦でした。二人ともゴールはできませんでしたが、人一倍の努力をして体力つくりに励んでいます。自分達がこの番組に出場することによって、同じような境遇の子供達や若者にも、不可能なことはないというメッセージを伝えたかったと言っています。
また、その他話題になった事と言えば、番組に対しての苦情が殺到という事件がありました。それは、合計20人の出場者が各ヒートでゴールできれはセミファイナルに行くのですが、問題はそれぞれのヒートにより障害物が若干異なるということでした。どうみても前回放映のものよりも難関と言える、クリアするのが大変な障害物があるヒートが出てきたので、「これでは公平ではない!」と視聴者から苦情が殺到したそうです。これにより、去年の出場者の有力候補と言われていた何人かも、不幸にもこの難しいほうの障害物のヒートにあたってしまい、ゴールできなかったのです。
色々話題のあるこの人気番組、挑戦者達は「Midoriyama」を目指して頑張っています。この「Midoriyama」は日本の緑山スタジオにある鉄製の山型のことを言っています。オージーアクセントで「マイドリヤマ」と聞こえるのもオーストラリアらしいです。そして残念ながら今年も去年と同様誰一人Midoriyamaの決勝まで進出出来ることできませんでした。