オーストラリアでは歯の治療に一般の健康保険が使えませんので全額負担になります。虫歯を一つ治すのにも150ドルから200ドルくらい(約12900円~17200円)かかります。炎症が歯の神経にまで行ってしまった場合の治療は30~40万円くらいまでいってしまうこともあります。飛行機代とホテル代を出費しても、タイやインドネシアで治療をしたほうが安くつくので歯の治療のために海外へ行っている人もいるほどです。私も以前バンコクに旅行に行った際にバンコクの歯医者を予約していったのですが、来ていた患者さんはほぼオーストラリアからの人でした。治療費が高額なため、歯医者の治療費をカバーする掛け捨ての任意保険もありますが保険料もそこそこするようです。10年ほど前、親知らずを抜いてもらうために歯医者に行ったのですが、レントゲンを撮ってみると、歯がまっすぐ生えておらず、根っこの部分がフックのように曲がっていたようで普通の歯医者さんでは抜けないということになり、専門の歯科医へ行きました。部分麻酔をして、出ていた親知らずの歯を細かく砕いてから抜き取るという治療で確か500ドルくらいしたかと思います。それも10年以上も前なので今はもっと治療費がかかるかもしれません。親知らずの件はやむをえませんが、とにかく虫歯ができないように常日頃から歯磨きやフロスを丁寧に行い歯医者に行かなくてもいいように心がけています。私が住んでいるゴールドコーストのエリアの水道水にはフッ素が含まれているので虫歯になりにくいと言われています。でもオーガニックショップに行くとフッ素無添加の歯磨き粉もあるので、フッ素も体にいいのか悪いのかわかりませんが、この前5年ぶりに歯医者に虫歯のチェックをしに行ったら虫歯は一つもありませんでした。
オーストラリアに来たばかりの頃、赤ちゃんが茶色の天然石のようなものでできた数珠のようなネックレスをしている姿をよく見かけ、「ずいぶん渋いのを付けてるけど、これはこっちの流行りなのかな?」と不思議に思っていたのを思い出します。それにはちゃんと意味がありました。その茶色い石のようなものはアンバー(琥珀)でできており、アンバーに含まれている天然樹脂のオイルには鎮静効果があり、歯が生え始めた赤ちゃんのむずむずや痛みを和らげる効果があるそうです。赤ちゃんがこの渋い色のネックレスを付けている姿はなんとも言えず可愛いらしいです。
もう一つ、オーストラリアに来て感じた日本との違いに、オーストラリア人(オーストラリア人以外でも欧米人全般だとおもいますが)は綺麗な歯並びも美しさの一つと考えているので、歯の矯正をしている人がとても多いということです。今はインビザラインなどの透明で目立ちにくい矯正器具もありますが、それが広まる前でも子供から大人まで歯の矯正が日本よりも多く広まっていました。歯の矯正器具を付けていることに対してもあまり悪いイメージがなく、逆に矯正をしないままでいるよりもきちんとお手入れをしているという好印象が受けられているように思います。値段も決して安くはないのですが、そこに投資をしてまでも歯並びを直したいという人が多いのです。
虫歯治療にしても矯正にしても歯にはお金がかかります。
日頃のケアで一生大事に付き合っていきたいものです。
歯が生え始めの赤ちゃん用のアンバーのネックレス
オーガニックショップや赤ちゃんのものを扱うお店などに売っています。