• 2019.11.19
  • 11月1日はお墓参りの日
・Allerheiligenアラーハイリゲン
11月1日はAllerheiligenアラーハイリゲン(Aller: 全て、heiligen: 聖人)というキリスト教の祭日です。英訳では「All Saints’ Day」、日本語では「諸聖人の日」や「万聖節」。Allerheiligenではキリスト教にとって重要なHochfestと言う奉神礼が行われます。



カトリック教以外のキリスト教、聖公会や東方正教会などの教派は日付や呼び名が変わるそうですが、この影響力が強いドイツのBaden-Württemberg, Bayern, Nordrhein-Westfalen, Rheinland-Pfalz und Saarland州では11月1日が祝日となります。(キリスト教が多いイギリス、フランス、オーストリア、ポーランドなどキリスト教色が強い国も祝日があるようです)
11月2日はAllerseelenアラーゼーレン(Aller:全て、Seelen:魂)といって「死者の日」や「万零節」と呼ばれ、信仰を持って亡くなった方を祈ります。

祝日であるAllerheiligenには多くの方が先祖や亡くなった方のお墓を訪れるので、お墓参り渋滞となります。モミや松で作られた長持ちする素敵な花飾りと共にロウソクを灯して、亡くなった方へ祈りを捧げます。


・ハロウィン
元々はアイルランドやスコットランド等に住んでいた古代ケルト人の習慣でサウィン(Samhain)、すなわち夏の終わりを祝う行事が起源と考えられています。ケルト人は夏=光・命、冬=闇・死と二分割し、11月1日から冬が始まる時は死者の魂が現世に返ってくると信じられており、魔除けのかがり火を焚きながら10月31日に前夜祭が行われていました。
精霊たちを慈悲深く祀るため、かぼちゃなどの食べ物を家の前に供え、家の中に入ってこないように自分たちが幻怪な衣装をまとい精霊を追い払います。
「ハロウ・イブ(Hallow Eve)」と呼ばれていたのが、その後移民によりアメリカに渡り「ハロウィン(Halloween)」となり、今ではかぼちゃのジャック・オー・ランタン(Jack-o’-lantern)や魔女やお化けに仮装した子供達が「トリック・オア・トリート(悪戯か、お菓子か)」と言ってお菓子をもらうのは有名ですね。



ドイツではカーニバルがあるので魔女などの仮装は抵抗がないはずですが、お店にあまりハロウィングッズが出回っていないのが意外でした。もしかしたら、11月1日はハロウィンとは対照的な静粛なお墓参りの日なので、キリスト教徒の多いドイツでは子供達の一イベントくらいで留めておきたいのかもしれません。

日本では7月と8月の暑い時期にお盆参りがありますが、ドイツでは11月の肌寒くて小雨が降るような季節にしみじみとお墓参りへ行って参りました。亡くなった方を愛しむ想いが相手に通じると雨が降ると言いますが、ちょうどその想いが通じているのでしょうか。雨がしとしとと降り続く一日となりました。


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特派員

  • 理夢
  • 職業いけばな活動家

ドイツ在住7年目。海外で「和の心」を忘れず、「いけばな」と「着物」を中心に日本文化活動を行う。日本の美を広めるべく、また次世代にも継承していけるよう精進して参ります。

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