- 2015.08.14
- 真夏のスペイン B級ドリンク
大阪同様、マドリードにも例年以上の猛暑がやってきました。そこで、今回は、夏の定番カクテル「Tinto de Verano (ティント・デ・ベラーノ)」をご紹介します。
日本語に訳すと、夏の赤ワイン。カクテルと呼ぶには面はゆいぐらいに簡単なので、是非ともお試しあれ。
まず、材料はご近所のコンビニかスーパーで赤ワインを買ってきてください。ワインは安いのでいいです。と言うか、安いのがいいです。もしご自宅に到来物のボルドー産グラン・レセルブやら、2004年フルボディーのシャトーなんとかがあっても、ご使用はお控え下さい。あくまでも「早っ!旨っ!安っ!」が売りです。もう一つ必要なのが甘味炭酸飲料水。これは各自お好みで赤い矢の(ベンツ印)サイダーでもラムネでも、なにしろワインの赤が引き立つ、透明で甘いソーダの類であればなんでも宜し。
さて、その作り方
これだけです。
これぞ庶民の夏の定番カクテル。元々は暑さが特に厳しいスペイン南西部アンダルシア地方で愛飲されていたお手軽ドリンクです。現在では全国に広まり、こんなに簡単に出来るのに、すでにミックスして瓶詰した“出来合い”まで登場する事態に発展しました。各スーパーの売り場に、この2リットル入りのファミリーサイズボトルが並びはじめると「夏が来た~」と実感します。日本でもチューハイ缶とかハイボール缶がありますが、まさか2リットル入りボトルはありませんよね。あるかな?
写真3:こちらは2リットル入り徳用サイズ
ちなみにサイダーの代わりにフルーツ系の清涼飲料水を使って、台所にある“はぐれ果物”を刻んで入れ、お父さん秘蔵のウィスキーやらブランデー、焼酎などを失敬して少々注入すると、立派なサングリアが出来上がります。
写真4:1.5リットル・ボトル75セント(約105円)
まだ学生時代、マドリードの下町にあるオンボロ下宿で地方出身の貧乏学生達と生活していました。お互い蛍雪時代真っ只中、折角の夏休みなのに実家に帰れない連中と、猛暑の中、なけなしの金を出し合って、暑気払いのお手軽サングリア・パーティーをしたものです。大鍋に氷を入れ、量り売りの安ワインとオレンジ風味の清涼飲料水を注ぎ、すぐに酔いが回ると言われている“シナモン”を投入。出自も怪しいブランデーやらジンなどを混入して、お玉でかき混ぜて出来上がりのサングリアもどき。二日酔いの恨めしさと共に懐かしく思い出すマドリードの夏です。