• 2020.05.19
  • コロナウイルスの生存期間
以前ご紹介したスペインに於ける地中海ダイエットの第一人者 Juan Manuel Ruíz Liso 博士が新型コロナウイルスの性質について英国で出版されている医学誌 “病院感染ジャーナルJournal of Hospital Infection” の資料を基に一般の人たちにも理解しやすい表にして発表しました。 (前回、同記事の投稿の際に表に挿入した日本語訳が読みにくかったので今回その訳文を以下に掲載します。)


その説明は『人の呼吸器及び他の臓器に重大な感染症を引き起こすコロナウイルスCOVID19は世界的衛生問題となっている。2日~10日間の潜伏期間が飛沫、手、表面汚染による人から人への感染を容易にした。FCCR(ソリア地方貯蓄銀行科学財団)は権威ある英国病院感染学会誌の記事を通じて、健康に関して重要な問題を紹介する』 として 多様な無生物表面におけるコロナウイルスの持続性を紹介しています。

表面:鋼鉄
温度:21℃
持続時間:5日間まで
表面:陶器
温度:21℃
持続時間:5日間まで
表面:アルミニウム
温度:21℃
持続時間:2~8時間まで
表面:テフロン
温度:21℃
持続時間:5日間まで
表面:金属
温度:室温
持続時間:5日間まで
表面:木材
温度:室温
持続時間:4日間まで
表面:紙
温度:室温
持続時間:4/5日間まで
表面:コップ(ガラス)
温度:21℃
持続時間:5日間まで
表面:プラスチック
温度:室温
持続時間:2日~6日間まで
表面:シリコーンゴム
温度:21℃
持続時間:5日間まで
表面:ラテックス手袋
温度:21℃
持続時間:≦8時間
表面:使い捨てエプロン
温度:室温
持続時間:2日間まで
表面:塩化ビニール
温度:21℃
持続時間:5日間まで
表面:衣服/繊維
温度:室温
持続時間:48時間まで
食品はウイルス感染源ではないがWHOは調理場の良好な衛生管理を推奨している。



 こちらのデータは一般的なコロナウイルスが物に付着した際にどれほどの時間生き続けるかを説明しています。最も感染率が高いと思われる飛沫やエアロゾルによる人から人への直接感染が注目されていますが、一度人から離れて物に付着してからウイルスが生きている間に再び人に付いて感染するケースもあり油断ができません。3密条件を回避するだけではなく、物に触れた時の接触感染にも注意する際の目安になりますね。

例えば紙幣(紙)や硬貨(金属)に付着したウイルスは常温で4日から5日間は生存、プラスチックの表面にも2日から6日間生きているようです。現金と違いクレジット・カードの消毒は容易に出来るので支払いの際に現金は敬遠されるようになってきました。スペインのスーパーマーケットの中には入店者全員に店が用意したビニール製の使い捨て手袋着用を義務としているチェーンもあります。商品、買い物かご、現金等を素手で触ることがなく、店の出口で手袋を廃棄したあとには消毒液とティシュペーパーも用意されています。

表の次にはいかにもスペインの都会生活ならでは注意事項が続きます。

エレベーターの使用と帰宅時の注意事項
1. 出来る限りエレベーターは使用しないこと。階段を上り下りすることは良い運動になります。
2. もしも必要であるならば上りの際だけ使って下さい。
3. 行先階ボタンにはウイルスが付着しているかもしれません。手袋着用か家の鍵の先端で押しましょう。
4. 出来るなら家に入る際に靴を変えましょう。 外出用の靴/室内履き(日本では普通ですね)
5. 最低条件:帰宅時まず手を洗う事。
6. 外出の際に着けていた衣服と室内用とを一緒にしない。コート、ジャンパー、セーターは数時間通気させる。
購入した果物、野菜、は冷水でよく洗いましょう。

情報量が多い日本では“今更言わずもがな、周知の事実”かも知れませんが、漸く流行が鈍化したとは言え、いまだに蔓延中のスペイン、外出制限緩和もちらほら聞こえてくる中で緩みがちな緊張感を引き締める為にも有効なお知らせでした。

特派員

  • 山田 進
  • 職業スペイン語・日本語通訳

スペイン政府より滞在許可と労働許可を頂き、納税・社会保険料納付をはじめて早37年。そろそろシルバー人材センターへの登録も視野に入った今日この頃、長い間お世話になったこの国のことを皆様にご紹介できることを楽しみにしています。

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