• 2016.09.13
  • 住んでいる人もビックリのミラノ観光 
ミラノの観光において、観光客が必ず訪れるのはどこでしょう?
答えは、簡単ですね、ドゥオモです。
それでは、19年間ミラノに在住している私は、何回ドゥオモを訪れたでしょうか。京都に住んでいる知り合いが金閣寺を訪れたことが無い、と言ったことに驚いた事があるのですが、さすがにドゥオモを訪れたことが無いわけではありません。

私は音楽家なので職業上、劇場だけでなくイタリア各地の教会、お屋敷などでのコンサートで様々な場所を訪れます。ミラノのドゥオモを私が訪れたのも演奏会のための方が多いのです。2009年の夏にはドゥオモの屋上にステージと客席が設置され、地上から70メートルの高さでのコンサートに参加したことがありました。平らでなく中心線から坂になっている屋根の上の客席の設置の仕方においては、「さすがデザインの国、イタリア!」と唸らされました。ところが、この屋上コンサートは非常に魅力的な聞こえですが演奏会を行うには実に不便な場所なのです。客席の数も限られてしまうような屋上のスペースですから、チケットの入手がとても難しいコンサートだったようです。それから、屋上に上るエレベーターは実に小さいので、その当時設置された大道具を運ぶ屋外の貨物用リフトも活用していました。しかしながらそれでも演奏者とお客さんの上り下りの進行はなかなか捗らなかったものでした。順番待ちにしびれを切らして私はドゥオモの螺旋階段で降りてみたこともありましたが、小さな螺旋階段ですから降りている内に目が回った記憶が、、、天候にも振り回され、幸いにして雨天でない夜であっても強風に煽られて譜面台においた楽譜が飛ばされたり、音響用マイクが強風の音ばかりひろってしまって、グォーオォーという風の騒音ばかりがスピーカーから流れたりと、何かと苦労の多い演奏会でした。今では屋上の演奏会を行っているような気配は無いのですが、演奏会がたとえ無くともドゥオモの屋上はおすすめですよ。

それは大抵のイタリア人どころかミラネーゼ達でさえ知らない発見が隠されているからです。ありきたりの観光ガイドブックにも紹介されていない秘密めいた発見があるのです。

ドゥオモの大聖堂には、3000以上の彫像が立っています。ドゥオモの内外部の荘厳さと尖塔や彫像の数の多さと頂上のマリア像の煌びやかさに感嘆する、というのがドゥオモのごく一般的な見学。けれどよくよく見て行くとドゥオモの屋上には訳あり、と言いましょうか、思っても見ない彫像がいくつもあるのです。さりげない物では、ムッソリーニの顔、指揮者トスカニーニ、詩人ダンテ等々、奇抜な物では、テニスラケットとボールや、4組のボクサー達等々。

いかがでしょう、3000以上の聖人の彫像に紛れこんでいるミラネーゼも知らない奇想天外の像を探したくはなりませんか?

milano duomo concert




特派員

  • 三上 由里子
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地に、ソロコンサートアンサンブルの編成で演奏活動の傍ら、演劇、画像、舞踊やライブ演奏を組み合わせたマルチスタイルの舞台プロデュース。

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