• 2021.09.08
  • グリーンパス
今年の夏休みは、どう過ごされましたか?

オリンピック観戦でテレビに釘付け?観戦しながら感激して泣いたり笑ったり怒ったり、さぞかし抑揚に溢れた感情的な日々を送られた事でしょう。

イタリアでは競技の生中継観戦は午前中に集中し充実していましたが、午後になると競技のハイライトや録画に移行していくことから、より先に夜が来て寝静まって行く日本との時差を感じたものでした。

各競技の結果と共に、気掛かりだったのは伴うウィルスの感染率ではないでしょうか?厳しい検査をすり抜けてオリンピック村にまで忍び込んだコロナウィルスは、この先日本を、そして世界をどこまで揺さぶって行くのでしょう。

このしつこいウィルス猛威が少々下火になった今年の夏のイタリアは、外国人観光客の姿も見受けられ、町は少々活気を帯びて来ているようには見えます。とりわけ夏季に盛んなコモ湖畔沿いで外国人の結婚式に関しては、本当でしたら去年の夏に挙式予定だったのが延期に延期を重ねた挙句、今年の夏にやっと実現したというカップルも少なくありません。今年の夏に挙式が可能なのはグリーンパス、とイタリアで呼ばれているワクチン摂取証明書の提示も大きな役割を果たしていて、このグリーンパスの義務化によって色々な活動の再開が可能になり、これからも更なる経済活性化に役立って行くに違いありません。現在イタリア国民の半分以上が2度のワクチンを終えていますが、それでも南部の方ではワクチン摂取に躊躇している市民が多くて国内での足並みが揃わないのが現状です。しかも、何ともイタリアらしいと苦笑してしまうのが、偽のグリーンパスが早速出回っている事です。


先日私が参加したロックコンサートでも、会場入場先で一人ずつ係員に調べられている際に、ある青年のグリーンパスが偽造であることが見破られた現場を私も目撃しました。しどろもどろになった青年は「ええと、僕のと友人のグリーンパスが混ぜこぜになったのを気がつかなかったんだ、、、」と言い訳をして逃げ去って行きました。偽造グリーンパスのオンラインショッピングでは、約2万円くらいで販売されているそうなのですが、中には6万円もするとか!こんな悪事には唖然させられますが、おいおい、こんな事をしているとコロナで命を落とした人達に恨まれて呪われるゾ!

ところで美術館などでは、最近オンラインのみでのチケット販売に移行していて、制限された入館者数のおかげで人混みと人の波に押されることなく、ゆったりとゆっくりと美術鑑賞が出来る事は嬉しい限りです。この快適さに味をしめて、最近は積極的に美術館に行くようになりました。2年前まで美術館前の長蛇の列に辟易して敬遠していた美術館も、今ならオンラインでチケットを買えた時点で、芸術品との対面の至福の時間は保証されたようなものですし、待たされる事なく入館できるのも魅力です。更には音声ガイドにおいて、館内専用の機器貸し出しから、個人のスマホにガイドのアプリをダウンロードというシステムに移行の傾向にあり、これでイヤーホンを持参していけば完璧な鑑賞の時間を過ごせること、間違いなしです。

コロナウィルスとの共存で、これから世の中のシステムが色々と変わって行くのでしょう。

特派員

  • 三上 由里子
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地にソロとアンサンブルの演奏活動中。クラシックからポップスまで幅広いジャンルのレパートリーを持ち、イタリアの人気コメディアンの番組にバンド出演中。

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