空腹を覚えたら席について、夕食を堪能して美味しいお料理で満腹になったら、それでいいじゃない?アペリティフなんてしたら、せっかくの食欲も味覚も台無しにされそう、と思っていたこともあってアペリティフを考慮に入れたことがなく、邪険にしていた。
そんな私がアペリティフ ファンになったのはイタリアに移住してから。北部イタリアではアペリティフは盛んで、一般的に人気なカクテルもかなりハッキリしています。定番は、ネグローニとスプリッツ。
ネグローニは、フィレンツェ生まれのカクテルで、カンパリ、ベルモット、ジンのミックスにオレンジのスライスを一切れ添えた氷入りの赤いカクテル。ずっしりと重みある味覚にビターな味が広がっていく強いお酒なので、ダンディーな男性に似合っているように思うのは、私だけ?ところが、カクテルにも花言葉みたいなカクテルに秘められた意味があるとかで、なんとネグローニは、初恋。私の中ではネグローニの味と言葉が一致しない、、、「ダンディー」が似合っていると思う。
このネグローニには、別のバージョンもあって「なんちゃってネグローニ」という意味らしいのですが直訳すると「失敗のネグローニ」という名前。これは、ミラノ生まれのカクテル。バーテンダーがネグローニを作る際に、ジンを入れるべきところを間違えてスパークリングワインを入れてしまった事から誕生。こちらの「なんちゃってネグローニ」は同じ赤い色でも酔いも冷ましやすい優しめなカクテル。
一方、もう一つの定番カクテル、スプリッツはヴェネツィア生まれ。こちらもネグローニによく似た色合いで、オレンジ系赤色の氷入りのロングドリンク。
このカクテルに秘められた意味は聞いたことがないので、私の中では「歓迎」にしておく。このスプリッツにもヘビーバージョンとライトバージョンがある。でも、だからと言ってネグローニのように「私には、なんちゃってスプリッツをちょーだい」とオーダーしても通じない。スプリッツは、スパークリングワイン(又は白ワイン)にリキュールのカンパリと炭酸水を加える。ライトバージョンの場合は、カンパリではなくてリキュールのアペロール。
ところで、ミラノでのアペリティフのおつまみには、ポテトチップスから本格的な夕食のようにさえ思える温かいお料理を出してくる店もあって、それこそ何でもアリで幅が広いけれど、個人的には手でつまんで食べられる気楽さがアペリティフ感覚にマッチしていると思う。シンプルにポテチ、又は、オリーブの実がおつまみに最高。
ミラノに来たら、なんちゃってネグローニをオーダーして、遠き初恋の思い出を思い返すなんちゃってダンディーしてみて!