• 2024.05.14
  • 仮想世界を仮想する
イタリアに住み始めてから言語面で色々苦労が続いたものですが、その中の1つで苦手にしていたケースは、カスタマーサービスに電話をする時。

なぜなら、音声ガイダンスが流れ始めるとその音声は色々オプションを提示してくるのですが、自分の必要な項目がどれに当てはまるのかを理解しようと頭を働かせている間に、音声ガイダンスが読み上げる提示メニューはお終い。親切な仕組みの音声ガイダンスは、しばらくの沈黙の後に改めてメニューを繰り返し読み上げてくれるので、何度も聞き直したり、考えたりする余裕を持たせてくれるのですが、毎回そうとは限らない。悪くすると、自分の選択が間違っているかあっているかも分からないまま、とりあえず次のステップに進むと、新たに幾つものメニューを提示されるのです。考え込んでしまった途端に、最初からやり直しさせられる事も。単純な質問一つをするにしても、あのぶっきら棒で一方通行の態度の音声ガイダンスに四苦八苦し、何度、途中挫折した事か。


でも今はAIの時代だから、AI音声ガイダンスは外国人にも使いやすいような仕組みになるのかもしれない、、、

いずれにせよインターネットの普及で音声ガイダンスとは縁遠くなることが出来て、お陰様でストレスが少ない日々です。

思い起こせばタクシーを予約する時も、今ではアプリで予約できますがその当時は音声ガイダンス。

住所を言え、と音声ガイダンスに指示され、音声ガイダンス恐怖症のせいで緊張しながら言うと無機質なトーンで「わかりません。もう一度言ってください」。

裏返して言えば、発音が悪い、と音声に言われているようなもので、苦笑するやら機嫌悪くなるやら情けなくなるやらの苦い懐かしい思い出。

もし心優しいAIだったら「こちらのXXX住所の事でしょうか?代わりに発音してあげましょう」なんて言う風に助けてくれるのかしら、、、

ところで聞くところによると、ミラノから50キロ離れたベルガモの町に、メタバースのワインバーがオープンしたとか。仮想空間でワインを飲む??



記事によると、そのワインバーはAIがワインを選ぶのを手伝ってくれて、そのワインに合うお料理も勧めてくれるとか。

となるとソムリエは、ワインの勉強をする必要が無くなった??

それはともかくとして、そのワインバーでは、仮想世界でのイベントやゲームで楽しめるおまけ体験もありで、実はおまけではなくて売りの一つなのかもしれないのです。ゲーム関係に関しては具体的な記事が無いので何とも判断しかねますが、気になるのが仮想世界でのワインの試飲もできるとか。

仮想世界での試飲とは、どこまでが現実でどこまでが仮想にもよると思うのですが、メタバースの体験が豊富でない私には、わかるようでわからない。

ワインを飲まずに、でも匂いも味も楽しめて、更にはほろ酔い気分にもなれるとしたら、そう悪くもない世界かもしれないですけれど、、、冗談はさておき、こればっかりは実際に体験してみないと。

が、どうやら、かなり厳選されたVIPのみワインバーだとか。

特派員

  • 三上 由里子
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地にソロとアンサンブルの演奏活動中。クラシックからポップスまで幅広いジャンルのレパートリーを持ち、イタリアの人気コメディアンの番組にバンド出演中。

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