日本人デザイナー、日本企業はもちろん世界中のブランドが争って出典を希望し、来場者数36万人を誇る大規模なフェアです。
このサローネの時期の宿泊施設の確保が非常に難しく、ミラネーゼに言わせるとこの時期は、庭に張ったテントでも、廊下に敷いた布団でも貸し出せるそうで、ホテルの価格が4倍に跳ね上がる時期でもあります。
準備や用意が怠らない日本人でしたら、きっと、今年のサローネが始まった時点で、来年のサローネ用のホテル予約は済ませているのでしょうけれど、私のようにその日の気分で動く気質の国の人は、毎年、サローネの開催直前まで宿泊施設を見つけられなくて
焦るのでしょう。
ミラノ市内で見つからなければ、ミラノ郊外でと言うふうにミラノから距離を置くことで宿泊施設の可能性を広げたいところですが、イタリアでの電車での移動は、電車社会の日本とは違って、本数といい、運行状況といい、車内の衛生面といい、質が落ちるのです。
それならば、国際免許を使ってレンタルカーで移動という案を閃いた方もいる事でしょう。イタリアでドライブしてきた、なんて聞こえもいいじゃないですか。左側ハンドルで右側通行さえマスターできれば、後はどうにかなりそうな気もするし。最近は、携帯電話にインストールしたナビゲーターで外国の道路も違和感なく運転できるものだし。
それでよくよく考えると、ミラノ市内の一般乗用車通行禁止の道路も避けられるは、ナビのお陰。ナビが普及していない一昔前までは、一般乗用車の通行禁止道路に出くわした時に、その標識を理解する時間も無く進入してしまったものです。
それでも、今日のミラノ市内での運転は、そう簡単では無いと思います。例えば中心地。AreaCと呼ばれる限定区域が敷かれていて、平日の7時半から19時半までは一部の車を除いて、立入にコストがかかります。私のようにボーッとした人は、気がついたら進入していた、となる訳です。それでも最近は、支払い請求書が家に届いてガーンとショックを受ける事もなくなって、というのは、自動的に口座から引き落としされているようなシステムが普及しているからで、これは郵便局に違反を払いに行く手間隙を省いてくれるものの、微妙な気持ちにさせられます。
さて、ミラノでの路上パーキング。今でこそ、アプリで路上パーキングの支払いが操作できる便利な時代。同僚にはパーキングを払わずに違反駐車する人が多くて、そういう人たちは、付近を見回してコントロールが来ないだろうというのがわかる、つまりそういう感覚に優れているのだと思います。
イタリアのそんなイージーなパーキング事情の感覚が全く通じないのが、国境を超えたすぐお隣のスイス。
感心と同時に身震いするパーキングシステムになっています。一見ごく普通の路上パーキング。路上に敷かれた白線内に、車を止めます。2、3分で終わる雑用だから、パーキングを払わずに済ませちゃおう、なんて思ってはいけません。アスファルトの下には、重量計量器が敷かれており、車を止めた人は最寄りの駐車券売機の所に行って、又はアプリで、止めた区画の番号を選択をし払わないと、重量計量器は警察のパーキング監視センターに繋がっているので、通知が行き警察が来てしまう、という訳です。
憎めない自由な国 イタリア。