あなたは、なんと答えていたのでしょう?
パイロット?お菓子屋さん?野球選手?漫画家?
実は今、イタリアではとてもユニークな新職業が次々と登場しています。IT系やAIの分野の職業が増えているので「将来何になりたい?」と聞かれると、「AI」とさえ答える子供もいるのかもしれません。実はIT系やAIの分野だけでなく「本当に存在するの?」と疑いたくなるような仕事が出てきたことを最近知りました。面白がって半信半疑でよくよく調べてみると実際に税務署に登録された“正式な職業”だというので、益々面白くなりました。例えば、
生ハムの匂い嗅ぎ職人 : 鼻で生ハムの品質を判別する職人技。

香水を作るパリ在住のフランス人のパフューマーの知り合いがいて、なんと優雅で繊細な仕事なのだろうと感心したものですが、一方イタリアの生ハムの匂いを嗅ぎ分ける職業は同じ繊細さを要するにしても、国民性が伺えてユーモラス。
ドッグフードのテイスター : ワンちゃん用のグルメフードを実際に人間が試食。

ドッグフードの宣伝などで舌なめずりした犬が登場したりすると、食べてみたいな、失望するかな、なんて思ったこともありましたが、実際に人間がテイスターをしているのなら、かなり美味しいに違いありません。
無人島の番人 : 孤独な職業。
島のタイプによっては、何も無い場所で働いている、ということでしょうかね。
マットレスの試験者 : いびきをよくかけるかどうかで採用決定?!
最近、マットレスメーカーのお店が増えたように思うのですが、と言うことはプロのスリーパーも増えているのかしら?展示マットレスで熟睡している人が多い店のマットレスが狙い目かもしれない。
豆カウンター : 職業制度に本当に登録されている!
まぁ確かに豆を数えることは、量によっては気の遠くなるような根気のいる作業でしょうから、職業として認められたことは良かったのかもしれない。
結婚式用ハトの使い手 : 本当にハトを飛ばします。

職業上、私は結婚式でのハト飛翔の演出シーンには遭遇することが時々あります。ゲージの扉を開けたら飛び立っていく瞬間だけを見ると誰にでもできそうですが、背景にはかなりの準備と訓練があって、例えば、数km〜数十km離れた場所から飼育地に戻る訓練が何ヶ月もかけて行われると聞きました。結婚式ではタイミングよく飛ばすことが大事なので、本番でのハトとの連携が必須の難しい仕事。時々、飛びたがらないハトもいたような記憶が、、、
口笛吹き : 残念ながら職業として登録はされていない。
が、口笛を専門に活動をしているミュージシャンは存在していて、例えば、モリコーネの映画サウンドトラックにも採用されています。私の口笛は、音量もなければ、音程も狂っていて、1オクターブも出せないのでプロにはなれませんね。
その他、AIが生活に入ってきている時代を伺わせる新職業では、
プロンプト・エンジニア : ChatGPTと上手に会話できる人。
倫理コンサルタント : AIに「それ、いいこと?悪いこと?」を教える。
どれもイタリアらしさが滲み出ていて、どれくらい稼げるのかはともかく、職業として承認されて専門家として誇らしげなのかもしれませんよ。