• 2017.07.21
  • Lost Places – Heilstätten
写真を撮るのは私の大切な趣味の一つです。マクロ撮影が特に好きですが、Lost Place といわれる場所の写真を撮ることも楽しんでいます。
Lost Placeというのは使われなくなったビルや廃墟です。簡単に入ることのできる場所もありますが、中には警備会社に守られているビルもあります。

時を経て、人々に荒らされた建物もあれば、自然に荒れ果てた場所、かなり良い状態を保っている所まで、ビルの状態もかなり様々です。しかし、そのどれもが独特の魅力をかもしだしています。

状態の良いビルでは、古き日々へ思いは巡り、時の旅行をさせられるものですが、廃墟と化したビルも、美しいグラフィティがあったり、自然に飲み込まれていく様子が目に見えたりと、こちらも趣があります。

そのような場所はベルリンの市内、特にベルリンの周辺部にまだたくさん見つけることができます。また、関心を持って見にくる人々がどんどん増えています。最近は、ガイド付きの写真ツアーも予約できます。

私は一人で探検するほうが好きですが、実はなかなか気を使わなければならないことがあるので、一人では行かない方が良いと思います。

ビルに入って、私が特に注意を払うのは、何も変えないで出ることです。そうすることで、他の人も同じように、素晴らしい経験をすることができるからです。しかし、残念ながら、破壊行為もしばしばあります。過去10年間の間に、すっかり変わってしまった場所をいくつも目にしてきました。

このようなことを恐れて多くの発見者は、その所在地を公にしない傾向にあります。

週末に、友人と一緒にブランデンブルク州へ出掛けた際、ふと、ベーリッツ・ハイルシュテッテンで車を停めました。

この小さな町にある古い病院はとても有名で、ここの周りで最もよく知られている Lost Place です。

19世紀の終わりに建てられたこの病院は、生活条件の悪かったベルリンで問題となっていた肺結核の治療を目的としていました。そこでこのベルリンのはずれ、空気の新鮮なベーリッツ・ハイルシュテッテンの森の中が選ばれたのです。

170711groner_m1
外科部の入っていた建物
170711groner_m2
昔の美しかった様子が今も分かります。

この病院は、先に話した状況の良い例です。東西統一後、長い間この建物を使っていたソ連軍が撤退しました。それから年月が経ち、良い状態で保存されていた施設は、廃墟と化す一方です。

170711groner_m3
170711groner_m4
170711groner_m5
中の印象

病院という施設の性質上、この廃墟は色々な人の興味を引くようで、お化け探しをする変わり者まで出没します。

人気スポットとなったこともあり、建物の一部は投資家が購入し一般公開をしています。面白いコンセプトのツアーを企画し、元手術室なども含むコースに来訪者を案内します。

このように、誰もが少し探検をすることが出来ます。

特派員

  • マーラ・ グローナー
  • 職業リサーチャー、ツアーガイド

出身は南ドイツですが, 10年程ベルリンに住んでいます。ツアーガイドとしても働いています。ベルリンというダイナミックな街で生活していると、新しい発見が尽きません。

マーラ・ グローナーの記事一覧を見る

最新記事

リポーター

最新記事

PAGE TOP