• 2021.03.24
  • ベビー・シャワー
私の出身地のイタリアでは、赤ちゃんが生まれるとたいていパーティーを開いてお誕生祝いをします。カトリック家庭で生まれた赤ちゃんなら、洗礼式もその時に行うのが一般的なパターンです。
多くの人は通常の場合、生まれる前にお誕生祝いをするのは縁起が良くないと考えます。妊娠しても、その結果が100%確実だとは残念ながら言い切れないし、出産時に予期せぬ合併症が発生するかもしれません。
打って変わってここオーストラリアでは、赤ちゃんが生まれる前にお誕生祝いをします。他のアングロサクソン系の国と同じく、妊婦さんとその大きなお腹を主役に据えて、「ベビー・シャワー」と呼ばれる、文字どおりプレゼントのシャワー付きの可愛く楽しいパーティーを出産前に開催するのです。
パーティーは、妊娠8か月の時期に行うのが一般的。妊娠という名の大冒険(多くの不快な症状に苦しむ人にとっては「大災難」かも?)もいよいよ終盤のこの時期は妊婦さんも比較的落ち着いているころで、多くが産休期間に突入し、赤ちゃんを迎えることだけを考えながら過ごせるからでしょう。
パーティーは主催者の家か妊婦さんの自宅で行われることが多いけれど、オーストラリアでは(コロナ禍でなければ)こうしたイベント向けのパーティールームをレンタルするという手もあります。
このたび私は「部外者」つまり見物人として、通常なら女性限定のはずのベビー・シャワーをチラ見することができました。しぶとく居座り続ける新型コロナウィルスを考慮し、規模を縮小して開催されるベビー・シャワーに私のフィアンセが出席するというので、私がパーティー会場までの送迎係になり、チラ見ができたというわけです。

友達や姉妹に囲まれた妊婦さんが、お約束のプレゼントを受け取っていました。後でフィアンセから聞いた話によると、プレゼントの中味は衛生用品や毛布、衣類、おもちゃ、おむつケーキ、「ダイパー・ジーニー」と呼ばれるおむつの処理容器など、赤ちゃん(この場合は女の子)の誕生に向けたお役立ちグッズの数々だったそうです。
おむつケーキという名前を彼女が口にした時、1人の男性としてはえらくキモいと思ってしまったのですが、これはおむつを層状に重ねて作った偽物のケーキで、ベビーが生まれた瞬間から新米ママが使えるものだとフィアンセから教わりました。
ダイパー・ジーニーというのがまた恐ろしい代物です。これって汚れたおむつが最大100枚も入る容器ですよ、さすがにギョッとしませんか?笑
家はきれいに飾り付けられていました。玄関口の窓にはピンクの風船やおしゃぶりのシール、部屋の中に入れば哺乳瓶の付いた吊し飾りの「フェストゥーン」やテディベア、揺り木馬。
軽食、鮮やかなピンクのカップケーキと各種のお菓子、ピンクのドラジェ(アーモンド菓子)などがオルゴールと共に並んだテーブルには、参加者全員分のパーティーの記念品も用意してありました。
妊婦さん本人がパーティーを仕切って行うパターンも全然アリです。といってもベビー・シャワーの演出は友人たち主導でやってもらって、おもてなしなどの負担から妊婦さんを解放することになっています。
妊婦さんの姉妹が企画した今回のパーティーは、本人の自宅でささやかに居心地よく執り行われたのでした。
ベビー・シャワー向けにデザインされた招待状が届きましたが、これは地元のショップでも買えるし、専用のウェブサイトからネットで手に入れることもできます。
フィアンセいわく、妊婦さんをリラックスさせつつ集まった友達を楽しませることもベビー・シャワーの目的のひとつなので、パーティーの主旨に沿った様々な楽しいゲームで遊んだそうです。参加者の女性が目隠しをして人形に服を着せるゲームは、当然ながら盛り上がったとか。
それから、またもや目隠しをした参加者が赤ちゃんになったつもりでベビーフードを味見して、それが何のフレーバーかを当てっこするゲーム。
妊婦さんのお腹周りのサイズを言い当てっこする、3つ目の全員参加のゲームで遊んだら、いよいよラスト、目隠しをしてベビー用品の入った袋の中に手を入れ、その感触だけで中味を当てるゲームで終了です。
その中にはおむつや哺乳瓶のほか、チューブ入り軟膏やおしゃぶりホルダーなど、ちょっとヒネった品物もあったみたいですよ。
ゲームに勝った人たちには賞品が贈呈され、またパーティーの終わりには参加者一人ひとりに持ち帰り用のクッキーなどが入った可愛いレースの袋の記念品が渡されました。

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特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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