• 2020.05.26
  • 手作りマスクの有効性
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにマスクを着けるべきかどうか、医療専門家は毎日、意見をころころ変えていますが、アメリカ疾病予防管理センター(Canters for Disease Control and Prevention: CDCとして広く知られる)は公共の場、それも屋内の場合は特に、新生児を除く全ての人にマスクかフェイスカバーを着用することを公式に推奨しています。
CDCのおすすめはもちろんサージカルマスクですが、お店で入手するのは難しいため、スカーフや手作りマスクでも何も着けないよりはいいと呼びかけています。
実際、マスクを着用するメリットは数多くの研究で明らかにされています。
何が正しい行動なのか知ろうとすると、時にはイライラしたり、混乱したりすることがあります。しかもパンデミックのまっただ中で、公式の発表に一貫性がなかったり、誤解を招くものまであったりする場合はなおさらそうですが、ここイギリスでは今、多くの人が自発的に対処しようと努力していて、公式発表が出る前から既にマスクを着用していました。
世界保健機関(WHO)はマスクの効率的な利用を強く呼びかけ、貴重な資源を無駄にしないため、医療用マスクの常時使用を避けるように求めました。
そして、ウイルスから身を守る最も効果的な方法はこまめに手を洗い、咳やクシャミをするときは口と鼻をひじの内側で覆い、他の人から少なくとも1mは距離を保つことだと注意を促し続けています。
また、呼吸器衛生や手指衛生対策に加えてマスクを着用すれば、ウイルスの拡散防止に役立つとも指摘しています。
マスク着用はアジアの多くの地域で既に広がっていて、一部の専門家は、それが日本や台湾などの地域でウイルスのまん延をうまく制御してきた一因だろうと説明しています。
しかし、何よりも重要なのは、医療従事者や高いリスクにさらされている人、実際にウイルスに感染している人や感染の恐れがある人が、医療用の個人防護具(Personal Protective Equipment: PPE)を着用することです。
そして、それ以外の人は自分のマスクは自分で作るようにすれば、市販のマスクに近いレベルの防止効果まではいかなくても代替手段にはなるでしょうし、過剰な負担がかかっているマスク生産へのプレッシャーをかなり減らせるかも知れません。
イギリスでも他の地域でも最近は多くの人が時間を持て余し、その時間を手芸品作りに費やしています。なにしろ家にとじこもっているしかありませんからね。在宅勤務ができない仕事や、ストレスがいっそうたまる仕事に就いている人もいるかと思いますが、暇な時間がとにかく増えてしまった人もいて、中には私のガールフレンドのように手作りマスクを作る人もいます。ちなみに彼女は文字どおりプロの手芸家なんです。
ウイルスが飛沫感染によって拡散するかどうかは定かでありませんが、口と鼻を物理的に覆うものはあった方がいいでしょう。
確かに、マスクをすれば人前で呼吸したり、話したり、クシャミや咳をしたりするときに飛沫が飛ぶのを防げますし、無症状だけど陽性の人が知らないうちに感染を広げることも避けられます。
実用的な面でも、手作りマスクというのは悪くないアイデアです。とても安上がりだし、手芸好きな人なら必要な材料は既にそろっている可能性がかなり高いですからね。
外に出かけて新たに何か買う必要はたぶんないでしょうし、その必要があったとしても、オンラインで購入できる便利な方法がたくさんあります。
手作りマスクに必要な材料
- 18cm × 24cmの三角形の綿生地2枚
- ゴムテープ
- ミシン


手作りマスク

私のガールフレンドは手作りマスクを作る際、洗濯できる生地を選び、高温洗浄すればほぼ殺菌できるようにしました。
布マスクに関しては、撥水性でないこと、サージカルマスクの代わりにはならないこと、ウイルス感染を効果的かつ完全に防げると保証されているわけではないことを頭に入れておいた方が良いでしょう。ですが、先程お話ししたようなマスク不足を考えれば、衛生ルールの徹底と安全な距離の確保と共に使用すれば、効果的で、何も着けないのに比べて明らかにより良い対策となるはずです。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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