• 2023.02.13
  • 環境に優しいロンドンへ
今、イギリス、特にロンドンでは「サステナビリティ(持続可能性)」が重要なテーマになっています。
「不十分で遅すぎる」取り組みではないかという声も聞かれますが、環境や関連する問題などについてはさまざまな面で変化があり、新たな未来図が作られつつあります。

1. リサイクル


まず、ロンドン市は市民向けに、リサイクル(再生利用)可能な資源について必要な情報をすべて載せた公式サイトを設け、こうした資源が何にリユース(再利用)できるか詳しく説明しています。
ロンドンでリサイクル可能な資源には、プラスチック、ガラス、紙、金属、衣類、食品廃棄物、有機性廃棄物などがあります。

また、この街では混合廃棄物のリサイクル(mixed recycling)といった取り組みも行われています。
混合廃棄物はスマート・リサイクリング(smart recycling:訳註 コンピューターを利用した再資源化や再生利用)によって効率よく分別され資源ごとに処理されます。そのため、資源の種類ごとに受け入れ対象の製品を具体的に把握しておく必要があります。
ロンドンでは混合廃棄物の再生利用は、プラスチック、段ボール、ガラス、金属が対象です。それぞれの資源を分別せず一緒に透明(もしくは白色)の袋にまとめ、「mixed recycling」のラベルが貼られた容器に入れます。
分別は不要ですが、本当にリサイクルできるものだけを廃棄するようにしなくてはなりません。
プラスチック製品は、食品の容器、ボトル、シャンプーやシャワージェル(訳註:液体ソープの一種)などの洗面用品に使われる容器、掃除用品の容器のほか、食品トレーやビニール袋などが対象です。
プラスチックのボウルや食品用の透明フィルム、プラスチック製の植木鉢、気泡緩衝材(いわゆる「プチプチ」)など、故郷イタリアでは再生利用されるものがロンドンではなぜか再生利用されません。
紙類は、飲料や食品用の段ボール箱、手紙、新聞、雑誌はリサイクルされますが、汚れた紙類は対象に含まれません。
ガラス製のビンや壺はリサイクルされますが、割れたガラスやパネル、クリスタルは対象外です。
金属は、食品や飲料用の缶、金属製の蓋、スプレー容器はリサイクルされますが、それ以外の容器はリサイクルされません。
資源をどの品目に分別すればよいか判断が難しい場合もあります。そのため、多くの企業がシンボルマークやラベルを使用し、製品の原材料や分別区分を識別しやすくする取り組みを始めています。
いわゆる(含水率の高い)有機性廃棄物とは、生ごみ、コーヒーの出し殻、ティーバッグ、賞味期限切れの食品などのことで、油などの液体やかなり大きい骨類は含まれません。
有機性廃棄物については、生分解性バッグのみを使用して廃棄することがとても重要です。このバッグは地元の書店に行けば無料でもらえますし(居住地区により異なる)、スーパーでも販売しています。
また、住居の種類によってゴミの収集方法が異なります。
戸建ての場合、ゴミの種類別に決められた日に玄関先で収集されます。ゴミ箱は回収しやすいところに設置しておかねばなりません。
アパートや集合住宅の場合は、種類別に決められた日に、通常は共有部や建物に通じる道路などの最寄りの場所に設置した共有のゴミ箱から収集されます。

2. ゴミゼロ製品を地元で購入
ロンドンでは、大型チェーン店より地元の店舗を利用したり、ファーマーズマーケットで新鮮な旬の作物を買ったりする動きが著しくなってきています。とても簡単にオーガニックの食品をプラスチック包装なしで買えますからね。
このほか、売れ残った食品を閉店前の販売店や飲食店から安く買える携帯用アプリもいくつかあります。

3. 無包装の製品を販売
再生利用可能なパッケージのみを使用し、クルエルティフリーの(動物実験を行っていない)化粧品を扱うLushなど大手企業や、プラスチック包装不使用の固形石けんを販売する個人商店などの取り組みにより、個別にパッケージや包装をしない、いわゆる「無包装の製品」が人気を集めています。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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