命と生息地を失うオーストラリアの動物たち|アルベルト フェランド|ナレッジワールドネットワーク|アクティビティ|ナレッジキャピタル

  • 2020.01.23
  • 命と生息地を失うオーストラリアの動物たち
私が初めて当ウェブサイトのブログに書いたのは、オーストラリアの様々な動物たちの記事でした。そんな私にとってあまりにも悲しいことですが、動物(と、人類)の楽園であったオーストラリアは遠い過去へと葬り去られ、かつての私たちの楽園は、現在地獄のように炎に包まれています。
この火災に関するニュースは世界中を駆け巡りましたね。WWF(世界自然保護基金)の調査では、オーストラリアのコアラは30年以内に絶滅する可能性があるとのこと。可愛らしく大人しいこの動物の数は、彼らの自然生息地が失われたことや地球温暖化の影響によって過去20年間ですでに半減していたわけですが、個体と生育環境を奪い続ける4か月間の火災が起こり、事態は一気に、大幅に悪化したのです。

この火災と、今夏のオーストラリアで40~45℃の猛暑という直近の気候変動を引き起こした大元の原因に、地球温暖化の存在があることは間違いありません。近年、多数の火災発生など地球温暖化がオーストラリア(と全世界)に与えた打撃は甚大になる一方で、行き過ぎた森林の伐採によってさらに事態は悪化しています。
WWF オーストラリアが発表した概算では、この火災によって命を絶たれたコアラは約8,000匹。加えて、コアラの主な生息地の大部分が焼け野原になっているとのことです。
それでなくとも昨今、コアラの数はほんの数世紀前のわずか5%にまで減っていたところで、今回のダメージの深刻さは計り知れません。
コアラに食糧と住居と安全な生活を提供するユーカリの木は、コアラの生命の維持に欠かせない存在です。ユーカリの森がなくなれば、より多くのストレスや病気に見舞われやすくなるうえに、車に轢かれたり犬に襲われたりするなどのリスクにも晒されます。ユーカリの森が失われるのはコアラが主な生息地を失うということで、近い将来、種の存続が深刻に危ぶまれることになります。
コアラを救うために、まだ十分とは言えませんが多くの手当てが行われています。たとえば、この有袋動物専門の治療を行うポート・マッコーリー・コアラ病院では、ユーカリの森の地面に水を入れた容器を置くことを人々に呼びかけています。この病院は、火事によって生命の危機に瀕している野生動物の保護活動を行う人々を支援するため、自動式給水ステーションを設置する取組みも行っています。
過剰な森林伐採を政治的、そして社会的レベルでストップするべきなのですが、ここでは政治の問題に触れないでおきましょう。
オーストラリアの主要な森林と動物たちの貴重な生息地を焼き尽くしたこの数週間の火事によって、コアラ以外にも数千とまでは言わずとも、少なくとも数百種ものオーストラリアの動物の存続が、深刻に危ぶまれています。コアラが実際にこの重大な環境危機と、逃げ足が遅いため生命の支えとなる森を破壊する炎から逃れられずに火事の被害を最も強く受ける動物たちの象徴であるとしても、それ以外にも多少なりともこの災害によって被害を受けている多くの種の動物がいます。

黄色いトサカを持つ白いオウムのコカトゥーなどの鳥のように、たとえ火事から逃げられる動物であっても、炎から発せられる高熱で死んでしまったものは少なくありません。火災によって広い範囲が危険な状態と化した地域を逃れざるを得ないウォンバットやカンガルーなど、特に有袋類の動物には地上でも同様の悲劇が起こっています。
この火事は今もまだ消し止められず、これから数か月にわたって波及し、すでに大規模な危機に瀕している繊細な生態系に、さらに多大な影響を及ぼすでしょう。

国連による近年の概算では、オーストラリアの気候変動や土地利用、外来種の媒介といった複合的な影響を受けて絶滅の危機にある動植物の種、森林、湿地帯は2,000を超えました。そして今、この恐ろしい火事が追い打ちとなって、カモノハシやハリモグラなど、デリケートで尊い大陸の動物相を形成する、オーストラリアにだけ生息するこの国固有のユニークな動物たちの生存に欠かせない資源と彼らの生息地が失われつつあるのです。
火事による資源の喪失は、主に果実を食べて生息する大型のコウモリの一種、オオコウモリの個体数にも影響が出ています。大人のオオコウモリはお腹の袋の中の子と一緒にどうにか炎を免れたけれど、十分な食糧が得られないため赤ちゃんコウモリは見捨てられているという話を読みました。
さらに状況を悪くしているのが火災の範囲の広さ。動物たちの生息地自体の回復の可能性をも脅かすほどの勢いで、この火事は拡散しているのです。
あまりにも辛いものばかりなので、今回写真の投稿はしません。

特派員

  • アルベルト フェランド
  • 年齢午年
  • 性別
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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