類を見ない天然の楽器、ディジュリドゥ|アルベルト フェランド|ナレッジワールドネットワーク|アクティビティ|ナレッジキャピタル

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(2020年5月27日更新)

  • 2020.03.19
  • 類を見ない天然の楽器、ディジュリドゥ
ディジュリドゥはオーストラリアの最も伝統的な楽器です。
もともと人の手で作られたのではなく、シロアリに食われてできた天然の楽器であることはあまり知られていません。シロアリの塚がたくさん見られるオーストラリア北部のノーザンテリトリーが発祥の地で、ディジュリドゥはオーストラリアのアボリジニにとって神聖な楽器とみなされています。約2000年前の壁画に描かれていることから、この楽器が作られたのはその頃だと考えられていますが、それよりもっと古い可能性もあります。伝統的なディジュリドゥはユーカリの木から作られ、アボリジニのトーテム・モチーフの装飾が施されていますが、今日ではチークやプラスティック、また金属やセラミック製のものまで、さまざまな素材で作られたものが見られます。
「ディジュリドゥ」という名前は、イギリスからの入植者が新大陸にやって来て、アボリジニの演奏する空洞状になったユーカリの枝から湧き出すリズミカルな音を聴き、その音を模して名付けたと言われています。
音色は演奏者の唇の振動によって生まれ、幅広い倍音を持つ音を出します。
この楽器の演奏がとてもむずかしいのは、循環呼吸によって途切れることなく音を出し続けるからです。
ディジュリドゥにはさまざまな大きさのものがあります。長さは1メートルに満たないものから4メートルに達するものまであり、内径は最小3センチ(吹き口の部分)から、最大30センチまたはそれ以上にもなります(先端部)。
ディジュリドゥの音色は楽器内部の形状と比率によって変わってきますが、そのおかげもあって、他の多くの管楽器と違って、実に幅広い音の違いを求めて、考えられ得る限りのあらゆる形態のものが作られてきました。
素材の違いや、分厚さやどれくらい湾曲しているかは、一般的にこの楽器の音色には影響しません。
ディジュリドゥの演奏には循環呼吸(あるいは連続呼吸)のテクニックが使われます。このテクニックを使えば、演奏者は鼻から息を吸いながら口の中にためた空気を吐き出すことによって、途切れなく音を出し続けることができます。
西欧人を魅了してきた動物の鳴き声を模した音は、伝統的アボリジニの音楽とはさほど関係のない、もっと遊戯的、娯楽的側面が強調されたものです。オーストラリア全土にこの楽器が広まったことで、伝統的な部分にこだわらずにより近代的に使用されるようになりました。
ディジュリドゥは神聖な儀式にも、日々の暮らしの中でも使われています。伝統的な楽器として使用している部族では、女性が神聖な儀式でこの楽器を吹くことはできず、主に男性の通過儀礼で演奏されます。部族によっては女性がディジュリドゥを使うことは絶対的に禁止されていますが、皮肉なことに、そういった禁忌が生きているのはディジュリドゥが伝統的楽器ではないオーストラリア南部であることが多いのです。
またディジュリドゥは治療のための儀式でも使われているようです。
人がディジュリドゥに惹かれるのにはさまざまな理由がありますが、私の見るところ、主にその理由は二つのようです。まず、言うまでもなくディジュリドゥの独特で唯一無二の音色と、循環呼吸やこの楽器の文化的な起源からくる魅力。そして二つめの理由は、ディジュリドゥのシンプルさです。この楽器は今も演奏されている最も古い楽器の一つだと考えられているのです。
これは口から出される音を増幅する孤独で内省的な楽器なので、だれもが独自の方法で吹くことになります。まるで自分自身の声を聴いているようなもので、その「ほとんど神秘的ななにか」こそが、この楽器が人を惹きつけてやまない理由なのではないかと思います。
シドニーでは、この楽器のためのフェスティバルが毎年開催されていて、素晴らしいミュージシャンたちやディジュリドゥ奏者たちがオーストラリアや世界中の国々から参加し、ステージで演奏を披露します。このフェスティバルでは、アボリジニの伝統的奏法(オーストラリアの優れたアボリジニ・ミュージシャンによる演奏)と同時に、オーストラリア内外のミュージシャンの、新しい西洋風のリズムによるディジュリドゥの演奏を聴くことができます。



特派員

  • アルベルト フェランド
  • 年齢午年
  • 性別
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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